ボルボ マスターメカニックにインタビュー キャブ調整は芸術 EVにも対応

2019.08.04

100字サマリー

ボルボでマスターメカニックを務める、親子ほども年齢の違うふたりに話を聞きました。片やキャブレター時代からのメカニックであり、一方は最新技術を学ぶべくこの道を志したと言います。ますます複雑になるモデルに対応すべく、つねに研鑽を怠らないメカニックに敬意を。

もくじ

失われゆく芸術 広がる守備範囲
見事なメンテナンス性 「立ち入り禁止」
違いはセンサー 進歩は止まらず
番外編:若干24歳のマスターメカニック

失われゆく芸術 広がる守備範囲

最初はモンティ・パイソンのメンバーたちが、かつての人気バラエティ番組で、子供時代の思い出を面白おかしく脚色しているような話かと思った。

だが、濡れ雑巾から紅茶を絞り出したような話の代わりに、ボルボ・カーズ・シュルーズベリーでマスターメカニックを務める56歳のジョン・カーショーは、ここダベントリーにあるボルボ最新のトレーニングセンターで、真新しいXC40の隣に並んでいる彼のお気に入りの1台、ボルボP1800について長広舌を振るっている。

「当時、クルマの調子が悪ければ、ECUやコンピュータなどに頼ることなく、目や耳で問題を探し出そうとしたものでした」と、いくぶん物憂げな様子でカーショーは話す。

「洒落た電子制御やフューエルインジェクションなど無かった時代です。キャブレターの調整などはまさに芸術でした。エンジンのビートを目安に、慎重に作業を進めたものです。約5000kmごとにキャブレター調整とともに、ポイントやプラグの交換も必要でした。さらに、4万kmごとにミッションとデフオイルも交換していました」

「オルタネーターの発電量が十分でなければ、分解してブッシュ交換を行っていました。まさにメカニックの仕事です」


辛抱強くカーショーの話に耳を傾けているのは、同じくボルボのマスターメカニックを務めるジェイソン・ラトクリフ(彼の職場はボルボ・カーズ・ウォリントンだ)だが、なんとまだ若干24歳だと言う。

彼が自らの子供時代の話で対抗しようしないのは、ラトクリフ自身、まだ大人になり切れていないからということもあるが、このふたりが、メカニックとしての仕事内容の変化を認識しており、しかも、多くの面で良い方向に変わっていると考えているからでもある。

「いまや、われわれは単なるメカニックではありません。技術者とでも呼べる存在です」と、ラトクリフは言う。

「基本的なメカニックとしての知識から、複雑な電子制御、さらにはコンピュータといった、多くの技術を身に付ける必要があります。P1800の時代であれば、煙や盛大な異音、ミスファイアが故障の発生を教えてくれましたが、最新モデルで不具合を見つけ出すのはそれほど簡単ではありません」

「不具合を見つけるため、ときにはまるで医者と患者のように、お客様から実際にどんな症状を経験したのか、じっくりとお話をお聞きすることもあります。問題の本質を見極める必要があるからです。その問題が起こった時、車両はどんな状態だったのか、どのシステムが稼働していたのか、などということです」

 
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