ボルボ 英国でSUV専売に セダン、ステーションワゴンは全車種販売中止

公開 : 2023.08.02 06:05

ボルボは英国向けのセダンとステーションワゴンの生産を終了し、SUVのみの販売に切り替えました。世界的に好調なSUVを継続しつつ、電動化に向けてラインナップ再編を進めています。

英国でSUV販売に注力

ボルボは、英国向けのセダンおよびステーションワゴンタイプの車種の生産を中止し、SUVのみの販売に切り替えている。

ボルボは近年、英国市場におけるラインナップの縮小を進めており、今年6月には大型セダンのS90やステーションワゴンのV60クロスカントリーなどを販売停止とした。そして新たに、S60、V60、V90などが英国向けのオンライン・コンフィギュレーターに掲載されなくなっている(店舗在庫のみ注文可能)。

英国向けのセダン、ステーションワゴンは全車種が生産中止となった。
英国向けのセダン、ステーションワゴンは全車種が生産中止となった。

ボルボは以前、V60とV90を廃止する当面の計画はないと述べていた。中型セダンのS60は昨年、社内評価プロセスの一環として販売から外されたが、その後「中期的な将来に向けて」再びラインナップに加えられていた。

S60が生産されている米サウスカロライナ工場は、ボルボと兄弟ブランドのポールスターがそれぞれ2024年に発売を予定している電動SUVの生産に向け、改修中である。

ボルボはAUTOCARに対する声明の中で、次のように述べている。

「当社は製品の提供を急速に変化させています。完全な電動化に向かうだけでなく、すべての車種において新しいプラットフォームとテクノロジーに移行することになります。EVを優先し、この技術的な移行を進めていく中で、当然、ラインアップを進化させ、集約していく必要があるのです」

「その結果、当社は英国向けラインナップからさらなる車種を削除しました。これにはS60、V60、V90が含まれます。既存のSUVラインナップの需要は引き続き伸びており、また、近日発売予定のEVであるEX30とEX90への関心も高い。一方、セダンとステーションワゴンに対する購買意欲は、英国では非常に低いレベルにまで落ち込んでおり、そのため、これらの車種を英国での販売から外すという決断に至りました」

ボルボは最近発表した2023年上半期の世界販売台数の中で、人気のあるSUVシリーズが、セダンとステーションワゴンの全車種の販売台数を70%近く上回っていることを明らかにした。

車種別では、S90が今年1~6月で約2万3000台と、SUV以外では最も好調だった。S60は約1万8000台、V60は1万6000台強だった。しかし、V90はわずか7100台だった。

一方、ベストセラーのXC60は10万6000台を販売し、現行世代の発売6年目でも高い人気を維持している。

店舗在庫を除き、英国で現在販売されているのは、小型SUVのXC40C40リチャージ、中型SUVのXC60、大型SUVのXC90の4車種。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ。テレビゲームで自動車の運転を覚えた名古屋人。ひょんなことから脱サラし、自動車メディアで翻訳記事を書くことに。無鉄砲にも令和5年から【自動車ライター】を名乗る。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴとトマトとイクラが大好物。

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