【ロードスター快進撃】コロナで苦戦のマツダ それでもND健闘の理由

公開 : 2021.02.10 05:45

コロナ禍で苦戦したマツダ。しかし、ロードスターはほぼ例年どおりに売れました。その理由とは?

コロナ禍で苦戦のマツダ

text:Kenichi Suzuki(鈴木ケンイチ)
editor:Taro Ueno(上野太朗)

コロナ禍で混乱した2020年。マツダの販売成績は散々なものとなった。

国内販売は、前年比87%、海外販売は82.4%。合計でも83%。国内はマイナス13%、海外はマイナス17.6%、合計でマイナス17%という結果だ。

マツダ・ロードスター
マツダ・ロードスター    マツダ

とくにひどかったのは欧州市場での販売で、なんとマイナス38.3%という惨憺たるものであった。ただし、アメリカは前年比プラス0.2%、中国がマイナス5.8%にとどまったことで、トータルとしてマイナス17%にとどまったといえる。

車種ごとに見ると、国内販売ではマツダ2デミオを含む)は前年比マイナス24.7%、CX-5がマイナス23.2%、CX-8がマイナス39.7%、2019年に投入したばかりの新型車のマツダ3でもマイナス22.1%という数字だ。

海外販売でもCX-5はマイナス18.7%、マツダ3はマイナス28.1%という厳しい数字を残している。

ただし、国内販売のマイナス13%は、ひどい数字ではあるものの、マツダだけが飛びぬけて悪いわけではない。

一般社団法人日本自動車販売協会連合会の発表をみると、国内全体の登録車の2020年の販売が前年比87.7%。つまりマイナス12.3%であったのだ。その平均よりも、マツダは少し悪いという結果だ。

ちなみに、トヨタは前値比93.5%、ホンダは81.5%、日産は67.6%、三菱は57.9%、スバルが80.7%、スズキが88.7%、ダイハツが128.4%となる。ダイハツはプラスになったのは、登録車のロッキーの大ヒットが理由だ。

ロードスターが飛びぬけた数字

コロナ禍の影響によって、国内市場では、ほとんどの車種が前年の6~7割ほどしか売れなかったマツダ。

しかし、その中でも前年比93.6%という数字を残した車種がある。それがロードスターだ。

マツダ・ロードスター
マツダ・ロードスター

販売台数こと年間4413台と少ないものの、それでもマツダの他車種と比べれば、飛びぬけた数字を残している。

しかも、この好成績が驚くべきなのは、マツダは2020年にロードスターに対する販売促進的な手あてを、ほとんどやっていないということだ。

やっていたのは2019年11月の毎年恒例の商品改良のみ。その内容も「新ボディカラー(ポリメタルグレーメタリック)の採用」、「インテリアの質感向上」、「衝突被害軽減自動ブレーキの進化(夜間歩行者検知機能をプラス)」、「アップル・カープレイ/アンドロイドオートへの対応」、「オプションの強化」程度である。

ただし、2019年の秋に広島で開催した「ロードスター30周年イベント」に全国から約2200台のロードスターが集まったという話題があった。これにより、ロードスターへの注目度アップが追い風になったことも好成績の理由だろう。

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