【ポニーカー対ホットハッチ】マスタングかフォーカスSTか ドライバーズ・フォードを比較 前編

公開 : 2021.05.01 09:45

高性能フォードの対局ともいえるホットハッチのフォーカスSTと、V8エンジンのマッスルカー、マスタング。英国編集部が、ドライバーズカーとしての魅力を比較しました。

もくじ

速くて手頃なクルマを提供するフォード
自然吸気の5.0L V8か2.3Lの4気筒ターボか
ルックスに相応しい壮大な加速力

速くて手頃なクルマを提供するフォード

text:Andrew Frankel(アンドリュー・フランケル))
photo:Max Edleston(マックス・エドレストン)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
クルマから降りて少しの間、思いにふけっていた。シリンダー数も排気量も、半分くらいのコンパクト・ハッチバックで、5.0LのV8エンジンを搭載したアメリカン・クーペを追いかけた後だった。

ひたすら楽しかった。それ以外に言葉が出ない。

イエローのフォード・フォーカスSTとダークグリーンのマスタング・ブリット
イエローのフォード・フォーカスSTとダークグリーンのマスタング・ブリット

フォード・フォーカスSTで、必死にパワフルなマスタング・ブリットを追いかける。磨き込まれたホットハッチとはいえ、英国での値段は半分程度。馬力も60%程度に留まる。追い越すことは難しいかもしれないが、間違いなく面白い共演だった。

今から100年以上前に、大量生産という手法で自動車を民主化させたフォード。さらに数十年に渡り、速くて楽しくて、手頃な価格のクルマをわたしたちに提供し続けてきた。そんな自動車メーカーは、他にあるだろうか。

マスタングは、アメリカの手頃なスポーツカー、ポニーカーとして1964年にデビュー。クラスのベンチマークとしての性能を保持しながら、現在まで愛され続けている。

フォーカスも、ホットハッチの最初期に起源をさかのぼれる。先陣を切ったモデルとはいえないが、エスコートXR3から数えれば、既に40年以上の歴史を持つ。

フォードは長年、ドライバーを楽しませるクルマを、まったく異なる2つの手法で生み出してきた。今回は、スリリングなスポーツクーペに、進化を重ねたホットハッチはどこまで接近できるのか、そんな問いに迫ってみたい。

自然吸気の5.0L V8か2.3Lの4気筒ターボか

もちろん、マスタングとフォーカスはまったくの格違い。性能の差も価格差も大きい。フォーカスの劣勢は明らかだが、スペック表を見比べるとマスタングがお手頃にも思えてくる。

マスタングは、クラシックなメカニズムを採用したFRモデルとしては、英国で購入できる唯一の存在でもある。57年前の初代マスタングと同様にフロントエンジンで、自然吸気のV8エンジンがMTを介して後輪を駆動する。

イエローのフォード・フォーカスSTとダークグリーンのマスタング・ブリット
イエローのフォード・フォーカスSTとダークグリーンのマスタング・ブリット

フォーカスの2.3Lのエコブースト4気筒エンジンは、マスタングでも選べる。どちらも6速MTが組み合わされているが、駆動輪が異なる。

古くからのマスタング・ファンが、エコブーストを話題にすることはないだろう。V8エンジンを信仰し、排気量に代わるものはないという考えは、ダウンサイジング・ターボに否定的でもある。

確かに、2.3Lのマスタングを選んだら、V8エンジンの存在を常に意識することになる可能性も否定できない。しかしフォーカスを選んだドライバーは、マスタングに乗りたかったと思いながら運転することはないだろう。

少しひねくれた考えかもしれない。感じ方は人それぞれだ。

マスタングの見た目のアピール力は、ブリット仕様で強化されている。マスタング・ブリットについてはAUTOCARで以前に試乗レポートを記しているので、今回は詳しく触れないでおこう。あくまでも、ポニーカー対ホットハッチという比較がテーマだ。

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