全部入った! 新型アウディA3セダン、どれだけ積める? カタログじゃ分からない荷室調査

公開 : 2022.01.01 21:45  更新 : 2022.01.01 22:20

チェックに使うスーツケース

「どれだけ積める?」シリーズでは、単に荷室を計測した寸法だけでは実感として理解しにくいため、実際の使用を想定してスーツケースを積み込んで収容力を確認している。

積載チェックに使用するサンプルは、大小4つのケースを使用。

アウディA3セダン・ファーストエディション(マンハッタングレーM)。外から見た印象では、トランクの収容力はそれほど期待していなかった……。21世紀に入ってから顧客の嗜好が高級化路線にシフトし、セダンは大型化。やがてSUVの台頭により、こうしたCセグメントのセダンは、少数派になってしまう。
アウディA3セダン・ファーストエディション(マンハッタングレーM)。外から見た印象では、トランクの収容力はそれほど期待していなかった……。21世紀に入ってから顧客の嗜好が高級化路線にシフトし、セダンは大型化。やがてSUVの台頭により、こうしたCセグメントのセダンは、少数派になってしまう。    前田惠介

検証は、一番大きいLサイズのスーツケース(790×530×280mm:容量84L)、ひとまわり小さいMサイズのスーツケース(710×425×260mm:容量61L)を基本とする。

ここに機内持ち込みサイズのボードケース(550×400×200mm)と、パイロットケース(540×400×265mm)を組み合わせて容量・積載性を確認している。

A3セダンの荷室を計測してみると、床面での前後長は950mm。

左右幅は、最も狭い部分で1000mm。

荷室の高さは、後席直後の最も低い部分で床面から540mmだった。

すんなり入る 見た目以上の収容力

まず、最も大きいLサイズのスーツケースを寝かせて積んでみると、簡単に収まってしまった。

その上には、まだ別のケースが入りそうなスペースが残されている。

Lサイズ(790×530×280mm)、Mサイズ(710×425×260mm)のスーツケースが重ねて入る。余った空間には、機内持ち込みできるボードケース(550×400×200mm)と、パイロットケース(540×400×265mm)も。いとも簡単に全部飲み込んだ。
Lサイズ(790×530×280mm)、Mサイズ(710×425×260mm)のスーツケースが重ねて入る。余った空間には、機内持ち込みできるボードケース(550×400×200mm)と、パイロットケース(540×400×265mm)も。いとも簡単に全部飲み込んだ。    前田惠介

そこでMサイズのスーツケースを入れてみると、ギリギリで入ることが確認できた。目測では厳しいと思われたが、あっさりと飲み込んだのである。

まだ荷室空間が余っている。

驚くべきことに、重ねたスーツケースの脇のスペースにはボードケースが入り、手前にはパイロットケースが楽々と積めてしまった。

「どれだけ積める?」シリーズの4つのサンプルを、いとも簡単にすべて収納できたのである。

ちなみにこの状態でも、小さなバッグなどが入るスペースがまだ残されていた。

シートの調整幅・アレンジなどを活用することなく、最初からいきなり決まってしまったのは本シリーズ初の出来事。せっかくなので、別のアプローチも試してみた。

別の入れ方も試す カタログの不思議

Mサイズのスーツケースを起こした状態で積んでみる。これまたあっさりと入ってしまったが、面白い発見があった。

荷室の端に寄せて置いてしまうと、トランクフードの内張りに干渉してしまい、閉じることができない。

Mサイズのスーツケースは起こした状態でも入る。しかし、写真のように隅に寄せていると、内張りと干渉してトランクが閉まらない。それでも、中央寄りにずらせば大丈夫。
Mサイズのスーツケースは起こした状態でも入る。しかし、写真のように隅に寄せていると、内張りと干渉してトランクが閉まらない。それでも、中央寄りにずらせば大丈夫。    前田惠介

これは、中央寄りに積むことで問題を回避。その両脇を使えば、Mサイズのスーツケースをもう1つとボードケース2つを積むことができる。

最初に荷室を見た時はそれほど広く見えなかったが、実際にケースを積み込んでみてその収容力に驚かされる。

アウディのスタッフは、同じリモアのケースを使って開発したのではないかと思ってしまうほど収まりが良かったのである。

それにしても不思議なのは、カタログにラゲッジ・スペースの有用性はおろか、その詳細について一切触れられていないこと。抜群の収容力があるだけにもったいない限りだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。
  • 撮影

    前田惠介

    Keisuke Maeda

    1962年生まれ。はじめて買ったクルマは、ジムニーSJ30F。自動車メーカーのカタログを撮影する会社に5年間勤務。スタジオ撮影のノウハウを会得後独立。自動車関連の撮影のほか、現在、湘南で地元密着型の写真館を営業中。今の愛車はスズキ・ジムニー(JB23)

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