公道で魂揺さぶるパフォーマンス BMW M4 CS(1) ポルシェ911 GT3へ通じるハード
公開 : 2025.06.12 19:05
サーキットでの体験と公道でのパフォーマンスを追求したM4 CS CSLと同じ550psと66.1kg-m 各部の軽量化で−50kg シリアスなコクピット サーキットで顕になるコンペとの違い UK編集部が試乗
公道で魂揺さぶるパフォーマンス
最近のBMWは、特別なMモデルへ、更に特別な仕様を積極的に設定している。刺激的な見た目でキメたM4 CSは、そんな最新モデルだ。「サーキットでの体験と、公道での魂揺さぶるパフォーマンスという、ワイドな領域」へ向けて誕生したと主張される。
ハードを確認していくと、内容はポルシェ911 GT3と通じる部分が多い。エンジンやキャビンの仕立て、カーボンファイバーの採用領域など。その一方で、高度に可変する四輪駆動システムは残されている。リアシートも。

先代のM4 CSは充分な成功を収めたが、動的能力は磨かれつつも完璧とは呼べず、ハードコアなインテリアを正当化できていなかった。だが先代のM5 CSは、史上最高のスーパーサルーンと評せる、見事な仕上がりにあった。
新しいM4 CSの英国価格は、12万2685ポンド(約2392万円)と、Mモデルのファンでも躊躇する領域。911 カレラGTSも狙える価格帯にある。同社の実力がいかんなく発揮されたパフォーマンスとハンドリングを、宿すだろうか。
CSLと同じ550psと66.1kg-m 完全な後輪駆動にも
高度なM4をCSへ昇華させるには、繊細なセンスが求められると思う。そもそも、M4 コンペティションも存在する。コレクターズアイテムといえる、CSL級にハードコアを追求すると、普段使いとの親和性は遠ざかり、適合範囲は狭まってしまう。
その点、新しいM4 CSの着地点は素晴らしい。エンジンは、S58型3.0L 直列6気筒。CSLと同じ、550psと66.1kg-mを得ている。2基組まれるターボのブースト圧を2.1barへ引き上げ、ECUの書き換えで実現したという。エンジンマウントも強化品だ。

トランスミッションは、ZF社製の8速AT。リアには、電子制御リミテッドスリップ・デフが組まれる。前後のトルク分配率は可変式だが、基本的にはリア寄り。4WDスポーツ・モード時は、その傾向が強くなる。
M4 コンペティションと同様に、フロントのドライブシャフトを無効にでき、特にCSが想定するサーキットでは効果的に機能。マルチステージ・トラクション・コントロールが、この状態では有効にもなる。
各部の軽量化で−50kg シャシーは専用設定
ボディには、前端にカーボンファイバー製スポイラー。後端にもカーボン製ディフューザー。ヘッドライトは、GT3マシンのようにイエローに光る。エグゾーストはチタン製で、ステンレス製より4kgほど軽い。ボンネットとルーフもカーボン製を得る。
各部の軽量化の結果、車重は1760kgと約50kg削られた。ハイブリッドで最高出力541psの911カレラ GTSより150kgほど重いが、パワーウエイトレシオは313ps/t。ブレーキは、軽いカーボンセラミック・ディスクをオプションで選べる。

タイヤは、前側のネガティブキャンバーが目立つ。サスペンション・スプリングは、M4コンペティション比で前が3%、後ろが5%硬い。ダンパーもCS専用設定で、アンチロールバーはボールジョイントで繋がる。
パワーステアリングのマッピングに、スタビリティ・コントロール、Mダイナミック・モードのチューニングも、CS独自のもの。初心者でも上級者でも、最短のタイムを狙え、最高のスマイルを作れることが、目指されている。













































































































































