日本庭園に富士山? 新生 日産マイクラ(旧マーチ) 5 E-テックの兄弟に一新のハードを解説

公開 : 2025.06.13 19:05

5 E-テックの兄弟で一新した、マイクラ(旧マーチ) 3代目との結びつきを感じる見た目 若々しく現代的な内装 モーターは122psか150ps 思わず笑顔になる楽しさ 航続は最長407km UK編集部が試乗

6代目はルノー5 E-テックの兄弟モデル

過去5世代に渡って、40年以上の間に600万を超える台数が販売された、日産マイクラ(旧マーチ)。しばしの小休止を置いて、6代目が登場した。前世代と同様に、大きな様変わりを遂げて。

AUTOCARの読者ならご存知かもしれないが、新しいマイクラは2025年の欧州カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した、ルノー5 E-テックの兄弟モデル。だが、英国パディントンに拠点を置く日産のデザインチームによって、前後は大幅に作り変えられている。

日産マイクラ(旧マーチ/英国仕様)
日産マイクラ(旧マーチ/英国仕様)

プラットフォームは、Amprスモールと呼ばれるもので、開発はルノー。ボディサイズは全長3950mm、全幅1780mm、全高1500mmで、5 E-テックより僅かに長い程度の差しかない。生産工場のラインも共有している。

3代目との関係性を感じさせるスタイリング

スタイリングは、3代目マイクラとの関係性を感じさせ、個性的なライト類のデザインが強い心象を残す。バンパーやボディサイドの下部はブラックのトリムで覆われ、やや背が高く感じられると思う。

一方で、5 E-テックのイメージを完全に塗り替えたとまではいえない。特にリアピラーの形状は、ルーツがルノーにあることを隠さない。象徴的なコンパクトカーの復活は、ルノーにとっても重要な課題だった。日産のデザイナーは、苦労したに違いない。

日産マイクラ(旧マーチ/英国仕様)
日産マイクラ(旧マーチ/英国仕様)

フェンダーの丸いラインや、ジェラート・スプーンで削ったような、と例えられるサイドのラインが、いいアクセントになっている。反面、5 E-テックの方がシンプルにクールだと感じる人も、いらっしゃるはず。

ボディカラーはルノーより暗めで、組み合わせは14種類。ホイールは、スチールも含めて3種類が用意され、すべて18インチだという。新しいマイクラは、おばあちゃんだけのクルマではない、とも日産は主張する。

現代的で若々しさが表現された内装

インテリアは、ボディ以上に5 E-テックとの共通点が多い。細かな仕上げを除けば、同じといってもいい。それでも、僅かな違いで異なる雰囲気の創出に成功している。

ルノーと似ていても、筆者は悪いことだとは思わない。内装は現代的で、若々しさが表現され、価格相応な上級感も醸し出されている。1世代前の同クラスのハッチバックの車内が、古びて見えてしまうほど。

日産マイクラ(旧マーチ/英国仕様)
日産マイクラ(旧マーチ/英国仕様)

車内空間は、5代目マイクラより僅かに狭い。そのかわり、荷室は366Lで拡大した。開口部の敷居が少し高く、重たい荷物は載せにくいようだが。床下には、充電ケーブルをしまうのに丁度いい収納もある。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    役職:編集者
    自動車業界で10年以上の経験を持つ。欧州COTYの審査員でもある。AUTOCARでは2009年以来、さまざまな役職を歴任。2017年より現職の編集者を務め、印刷版、オンライン版、SNS、動画、ポッドキャストなど、全コンテンツを統括している。業界の経営幹部たちには定期的にインタビューを行い、彼らのストーリーを伝えるとともに、その責任を問うている。これまで運転した中で最高のクルマは、フェラーリ488ピスタ。また、フォルクスワーゲン・ゴルフGTIにも愛着がある。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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