フォルクスワーゲン新型EV『ID.2』 2026年発売に向け、公道でテスト走行開始

公開 : 2025.06.13 18:45

フォルクスワーゲンの新型EV『ID.2』のプロトタイプが、ドイツの公道上で目撃されました。ポロと同サイズのハッチバックで、航続距離は約450km。高性能『GTI』モデルも開発中で、運転の楽しさを重視しています。

デザインはコンセントをそのまま踏襲か

フォルクスワーゲンは、次世代の主力モデルとなる新型EV『ID.2』の公道テスト走行を開始した。デザインを隠すためのカモフラージュを施したプロトタイプが欧州で目撃されている。

ドイツのニュルブルクリンク・サーキット近くで撮影されたプロトタイプは、目立たないようにポロのボディパネルを装着していた。しかし、短いフロントオーバーハング、特徴的なフロントエンド、小型のリアライト、トランクリップの下部にある偽のドアリリースなど、その正体を裏付けるディテールがいくつか見受けられる。

2023年に公開されたコンセプトカー『ID.2all』
2023年に公開されたコンセプトカー『ID.2all』    フォルクスワーゲン

これらの特徴やサイズから、2023年に公開されたコンセプトカー『ID.2all』の量産バージョンと予想されている。フォルクスワーゲンのデザイン責任者であるアンドレアス・ミント氏は以前、AUTOCARの取材に対して、コンセプトカーのデザインとサイズをできる限り量産車に引き継ぐ方針を示していた。

ミント氏はまた、「コンセプトよりもさらに良くなりました。このデザインがとても気に入っています」と語っていた。

プロトタイプの写真からは、インテリアも一部明らかになっている。たとえば、ID.2allコンセプトにはフラットボトムのステアリングホイールが採用されていたが、量産バージョンも同様のステアリングホイールを採用するようだ。小型の『ID.Every1』コンセプトともよく似ており、同じようなレイアウトとなる可能性が高い。

新型ID.2は来年発売予定で、価格は未確定だが、約2万2000ポンド(約430万円)となる見込みだ。

ID.2はMEBプラットフォームの短縮版をベースとし、フロントにシングルモーターを搭載し、最高出力226psを発生。バッテリーは38kWhと56kWhの2種類から選択可能で、後者は約450kmの航続距離を実現する。フォルクスワーゲンの発表によると、56kWhバッテリーは最大125kWの充電速度に対応し、10%から80%までわずか20分で充電できるという。

高性能の『GTI』モデルも開発中だ。2027年に生産開始予定で、GTI専用の走行サウンドやガジェットを搭載するが、ヒョンデアイオニック5 Nのような疑似的なギアチェンジ機能は採用しない。詳細はまだ不明だが、技術責任者であるトーマス・シェーファー氏は、単なるパワーよりも「ゴーカート」のようなハンドリングと楽しさを優先すると述べている。

ID.2の生産は、フォルクスワーゲン・グループの4車種の兄弟車とともに、スペインのマルトレル工場で行われる予定だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    役職:ニュース編集者
    ニュース編集者としての主な業務は、AUTOCARのニュースの方向性を決定すること、業界トップへのインタビュー、新車発表会の取材、独占情報の発掘など。人と話したり質問したりするのが大好きで、それが大きなニュースにつながることも多い。これまで運転した中で最高のクルマは、アルピーヌA110。軽快な動きと4気筒とは思えないサウンドが素晴らしい。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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