【雨ニモマケズ】新型も注文した黒木美珠が試乗!一般道とオフロードで探るスバル・フォレスターの真価

公開 : 2025.06.13 11:45

4月に先行予約が始まった新型スバル・フォレスターは、同社初のストロングハイブリッドを搭載し、注目を集めています。先代フォレスターのオーナーで、新型も注文した黒木美珠が一般道およびオフロードで試乗しました。

受注初月で過去最多!フォレスター人気再燃の理由

4月の発表と同時に、新型スバル・フォレスターには多くの注目が集まりました。先行予約の受付は4月3日に開始され、4月末までの約1ヵ月間で受注台数は1万1466台を記録。

これは歴代フォレスターの中で最多となる数字で、スバル全体としても、2代目、3代目レガシィに次ぐ記録だそうです。登録車として単月で最も売れたのは、1997年3月の2代目レガシィの1万4509台でしたが、今回のフォレスターもそれに匹敵する勢いをみせています。

モータージャーナリストの黒木美珠が新型スバル・フォレスターに試乗。
モータージャーナリストの黒木美珠が新型スバル・フォレスターに試乗。    黒木美珠

さらに、4月から5月末までの累計受注台数は約1万5000台。月間販売計画の2400台に対し、実に3倍以上の数字を記録しており、市場の関心の高さが伺えます。

注目すべきは、パワーユニット構成比の変化です。4月の段階では、受注の85%が、新たに設定されたストロングハイブリッド『S:HEV』に集中していました。しかし5月は、1.8Lターボモデルの比率が約4割にまで増加し、ガソリンモデルへの注目も高まっています。

納車時期に関しては、『S:HEV』は人気の高さゆえに、現時点で納期は1年以上先。一方、1.8Lターボ搭載の『スポーツ』は、約3〜4ヵ月での納車が可能とされています。こうした納期の差も、購入時の検討材料のひとつとなっているようです。

ちなみに、筆者は先行予約開始初日である4月3日の夕方に、S:HEVの『Xブレーク』を実際に注文しましたが、ディーラーの担当者によれば、6月下旬にようやく生産ラインに乗る予定とのことでした。

高速道路で際立つ1.8LターボとS:HEVの違い

さて、試乗当日はあいにくの雨模様。路面は水たまりがあちこち、というよりも、全体的にうっすらと水が張ったような状況で、コンディションとしては理想的とは言えません。

試乗コースは、一般道、高速道路、ワインディングを組み合わせたもので、発着地点から出発して一周するのに約50分を要します。今回はこちらで『S:HEVプレミアム』と『スポーツ』の両モデルを順に走らせ、違いを確かめました。

当日はあいにくの雨模様の中、『S:HEVプレミアム』と『スポーツ』に試乗した。
当日はあいにくの雨模様の中、『S:HEVプレミアム』と『スポーツ』に試乗した。    黒木美珠

ターボモデルである『スポーツ』は、アクセル操作に対してリニアに反応するエンジン特性が魅力。市街地でも高速道路でも、力強くスムーズな加速を見せ、走行中のストレスを感じさせません。

0-100km/h加速は『S:HEV』が9.6秒であるのに対し、『スポーツ』は8.6秒。発進時から高速域まで、伸びやかな加速が持ち味です。車両重量においても、『S:HEV』の1750kgに対し、『スポーツ』は1640kg。旧型と比べると『スポーツ』は約80kg増えているものの、走らせてみるとその重量増を感じさせない軽快さがありました。

対する『S:HEV』は、低速域ではモーターのみで静かに走り出し、加速の滑らかさと静粛性の高さが際立ちます。走行中は雨量が多かったので、多少雨音は聞こえてきたものの、それ以外のノイズはほとんど気にならず、落ち着いた室内空間が保たれていました。

エンジンとモーターの切り替えも非常に自然で、運転中に違和感を覚える場面はありませんでした。走行後に確認した実燃費は18.0km/L。同じコースを走行した『スポーツ』が11.0km/Lであったことを考えると、これまで惜しい部分とされてきたスバル車の燃費面を大きくカバーしたモデルであると感じました。

快適性や燃費を重視するなら『S:HEV』、よりダイレクトな加速感や操縦性を求めるなら1.8Lターボの『スポーツ』。異なる方向性を持つふたつのモデルが用意され、用途や好みに応じて選べるのは魅力です。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    黒木美珠

    Miju Kuroki

    1996年生まれ、静岡県出身。自動車系YouTuberとしての活動を経て、自動車ジャーナリスト(の卵)へと転身。自身の車中泊による日本一周の経験をきっかけに、クルマを通じたライフスタイルの可能性に魅了されるようになる。現在は、輸入車デビューを目指す連載をはじめ、車中泊視点での車両レビューや、YouTubeチャンネル『AUTO SOUL JAPAN』の運営など、多角的に活動中。クルマを単なる移動手段や機械としてではなく、その背景にある開発者の想いや、クルマを取り巻く文化、そして『移動すること』そのものの価値を伝えることをモットーとしている。

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