30台限定でオーダー受付中 Eレジェンド EL-1へ同乗 スポーツクワトロを電動で復刻

公開 : 2023.10.20 19:05

グループBマシンへ迫るパフォーマンス

量産仕様では、スタビリティ・コントロールが備わり、前後アクスル間での自在なトルク分配へ対応し、リミテッドスリップ・デフもリア側へ装備される予定。リードルは、フロント側にも組むことを検討しているそうだ。

今回の同乗は、強固なコンクリートが敷かれた飛行場の一角。最高出力が数割抑えられていたとしても、EL-1が極めてパワフルなことは体験できた。

Eレジェンド EL-1 プロトタイプ
Eレジェンド EL-1 プロトタイプ

加速力は凄まじく、相当に積極的に扱っても、パワートレインがセーブモードへ入る様子はまったくない。旋回Gも驚くほどだが、その鋭さでパワーは余りがちになる。

ボディパネルが被さっていないため、車重は想定の1790kgよりかなり軽い。フロントタイヤが向きを変えるたび、跳ね上げた小石が車内へ飛んでくる。

ドライバーを務めたのは、Eレジェンド社のマルク・シェフバウアー氏。砂埃が浮いた路面はトリッキーで、アンダーステアとオーバーステアが交錯する。随時変化する挙動へ、彼は懸命に対処し続ける。

リミテッドスリップ・デフは必須アイテムのようだ。コーナリング時は内側のタイヤの負荷が減り、激しくスモークが立ち上がる場面も。

EL-1が完成するまでには、まだ時間を要するだろう。しかし彼らの電動パワートレインが、グループB時代のラリーマシンへ迫るパフォーマンスを披露できることは、間違いなさそうだ。痛快なサウンドは、伴わないけれど。

価格は1億2905万円で30台限定 EL-2も計画中

Eレジェンド社によれば、EL-1の量産仕様は2024年に公開される予定だという。その後、最初の顧客へ納入が始まる。

生産数は30台が計画されている。既に何台かは契約へ至っているが、今ならまだ貴重な1台をガレージに迎え入れることは可能らしい。ドイツ価格で、89万ユーロ(1億2905万円)もするのだが。

Eレジェンド EL-1 プロトタイプ
Eレジェンド EL-1 プロトタイプ

ちなみに、既にEL-2の計画もスタートしている。どのグループBマシンのボディをまとうのか、興味津々だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マイク・ダフ

    Mike Duff

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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