スウェーデン発の517馬力SUV 航続610kmのポールスター3へ同乗 BMW iXへ対抗

公開 : 2023.12.06 19:05

ボルボから派生したポールスターの最新SUVへ同乗 プラットフォームはEX90と共通 人工知能を用いた運転支援システム 英国編集部が北米で味見

プラットフォームはボルボEX90と共有

新しい電動SUV、ポールスター3が発売される。ツインモーターの最高出力は517ps。先進的な運転支援システムを実装し、持続可能性へ配慮した内装素材が用いられ、従来以上に「課題へ向き合い、責任を果たす」モデルだと主張される。

既に英国では注文を受け付けており、価格は7万9900ポンド(約1478万円)から。中国中部の成都市とアメリカ・サウスカロライナ州にあるボルボの工場で、2024年初頭から順次生産がスタートする。

ポールスター3(海外仕様)
ポールスター3(海外仕様)

BMW iXメルセデス・ベンツEQE SUVのライバルへ相当するボディサイズを持ち、「2」に次ぐ、ポールスターとしては2番目の正式な量産モデルとなる。プラグイン・ハイブリッドの「1」は、限定生産だった。

プラットフォームはSPA2と呼ばれるもので、こちらも発売が迫るボルボEX90と技術的な多くを共有する。大型SUVではあるが、低くシャープなスタイリングは空力特性が強く意識され、気流を整える処理がボディの各部へ施されている。

デュアルブレードと呼ばれる細いヘッドライトや、ウイングが備わるテールゲート、フロントスカートなどは、ポールスター・プリセプト・コンセプトへ通じるデザイン。フロント中央には、スマートゾーンと名付けられたセンサー類が集結するエリアがある。

同社のCEO、トーマス・インゲンラート氏は、このデザインがポールスター・ブランドの特徴になるだろうと語る。アルミホイールは、21インチが標準だ。

ツインモーターで最大517ps 航続610km

ポールスターのモデルは、動力性能の高さも強みとしている。3の場合、通常の最高出力は490psで、最大トルクは85.2kg-mがうたわれる。2584kgと車重は軽くないが、0-100km/h加速を5.0秒でこなし、最高速度は209km/hへ到達する。

ホイールが22インチへ大きくなる、オプションのパフォーマンス・パッケージを追加すると、27psが上乗せされ、先述の517psへ引き上げられる。最大トルクは7.0kg-m高まり、0-100km/h加速は0.3秒短縮されるそうだ。

ポールスター3(海外仕様)
ポールスター3(海外仕様)

2ミリ秒毎に減衰力が変化する、デュアルチャンバーのアダプティブ・エアサスペンションが標準装備。フロントのブレーキディスクは直径が400mmもあり、ブレンボ社製の4ポッド・キャリパーが挟む。

リアアクスルには、トルクベクタリング機能も実現するデュアルクラッチを採用。軽負荷時には、フロントの駆動用モーターだけで走行でき、エネルギー効率も高められる。

回生ブレーキの調整幅は広く、アクセルペダルだけで発進から停止までまかなえるワンペダルドライブにも対応。駆動用バッテリーの容量は111kWhと巨大で、航続距離は最長610kmと印象的なものだ。

急速充電能力は、DCで最大250kWまで。ヒートポンプ式エアコンも、標準で備わる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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