10分で320km分を充電? 最大370kWの超急速充電技術「XFC」公開 欧州EVブランドから

公開 : 2024.05.01 18:05

スウェーデンのポールスターとイスラエルのストアドット社が共同開発した超急速充電技術「XFC」は、実証試験で定格出力310kW、最大出力370kWを記録したという。

定格出力でも310kW… 充電時間短縮へ

スウェーデンの高級EVブランドであるポールスターは、超急速充電を可能にする新技術「エクストリーム・ファスト・チャージング(XFC)」を公開した。充電速度は最大370kWに達するという。

イスラエルのバッテリー企業ストアドット社と共同開発した技術で、シリコンを主成分とするセルを使用し、バッテリーの劣化を抑えながら急速充電を行う。また、新しい冷却システムと軽量機構を採用し、従来のEV用バッテリーよりも軽く、リサイクル可能とされる。

XFC技術の実証試験に挑むポールスター5のプロトタイプ
XFC技術の実証試験に挑むポールスター5のプロトタイプ    ポールスター

実証試験で使用されたのは電動セダン「ポールスター5」のプロトタイプで、定格出力310kW、最大出力370kWを記録した。ポールスターによると、これは77kWh容量のバッテリーの場合、10分間で10~80%(320km分に相当)の充電が可能で、将来的には100kWhバッテリーにも対応するようになるという。

ポールスターのトーマス・インゲンラートCEOは、一般的にEVの大きな欠点の1つと考えられている充電時間の短縮に役立つだろうと述べた。「時間は人生最大の贅沢の1つであり、高級EVメーカーとして、EV所有の最大の障壁の1つである充電不安を解消するために、次のステップに進む必要がある」としている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジャック・ウォリック

    Jack Warrick

    役職:常勤ライター
    クルマだけでなく、英国のローカルニュースとスポーツ報道にも精通し、これまで出版物、ラジオ、テレビなど、さまざまなコンテンツ制作に携わってきた。フォルクスワーゲン・グループの小売業者向けニュースウェブサイトの編集者を務めた後、2021年にAUTOCARに移籍。現在はその幅広い経験と知識を活かし、主にニュース執筆やSNSの運営を担当している。これまで運転した中で最高のクルマは、トヨタGRヤリス。一番のお気に入りだ。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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