アイコニックSP量産への挑戦 2024年2月ロータリー開発専門部署が発足 マツダのクルマづくり

公開 : 2024.01.16 17:45  更新 : 2024.01.16 21:43

東京オートサロン2024にてマツダの毛籠社長が、ロータリー開発専門部署発足を明言し「アイコニックSP」量産への挑戦にGOサインを出した形となりました。マツダファンのみならず、クルマ好きが気になる内容です。

まさかの発言にビックリ

東京オートサロン2024、最大のサプライズ。

それが、マツダのロータリー開発専門部署の2024年2月発足というニュースであろう。マツダの毛籠勝弘社長が記者会見の場で明らかにした。

マツダ 2024年2月ロータリー開発専門部署が発足
マツダ 2024年2月ロータリー開発専門部署が発足

登壇した毛籠社長は、2023年におけるマツダのモータースポーツ活動やファンフェスタでの成果を報告した。その流れで、ジャパンモビリティショー2024についても触れることになった。

当然、コンパクトスポーツカー「アイコニックSP」にも話が及ぶことが予想された。話の流れとしては、車両の基本スペックを紹介し、またパワートレインとしてはツインロータリー(ふたつのローターを持つロータリーエンジン)を動画を交えて説明した。

また実用性としては、ロータリーエンジンを発電機として使うEVであるためロングドライブでも充電への過度な心配が要らないこと。また、乗員二人が旅をするために十分なラゲッジスペースがあることも強調した。

会見現場で毛籠社長のプレゼンを聞きながら「まるで、量産を前提としたコンセプトモデルについて説明しているようだ」と感じた人が少なくなかったはずだ。その上で、会場にいた誰もが驚くようなサプライズ発言が飛び出したのだ。

ロータリー開発グループとは?

毛籠社長は「皆さまに背中を押されて、この夢に近づくべく、2月1日にロータリーエンジンの開発グループを立ち上げる」と言い切ったのだ。

「この夢」とは「アイコニックSP」で示したような「ロータリーエンジン搭載のコンパクトスポーツカーの量産」を意味する。ロータリーエンジンについては昨年「MX-30ロータリーEV」向けに新規開発した「8C」の量産を開始している。

マツダ 2024年2月ロータリー開発専門部署が発足
マツダ 2024年2月ロータリー開発専門部署が発足

筆者は昨年8月後半、マツダ広島本社で実施された、同モデル及び同エンジンに関する製品説明会に参加し、8C製造における加工工程の一部や8C組立ラインなどを視察している。

このように、マツダとしてはすでにロータリーエンジンの開発と製造が企業活動として走り始めているのだ。その上で、今回毛籠社長が「ロータリーエンジンの開発グループ」という表現を使ったところに注目したい。

要するに、この「開発グループ」とは、既存の8Cを使ったツインローターや3ローターといった複数ローターを使う開発、または8Cそのものを改良したり、さらには別のエンジン型式のロータリーユニットにまで開発の考え方を広げるのか、といったロータリーエンジンの未来に向けた開発を検討する社内精鋭メンバーの集まりという形が連想される。

記事に関わった人々

  • 執筆

    桃田健史

    Kenji Momota

    過去40数年間の飛行機移動距離はざっと世界150周。量産車の企画/開発/実験/マーケティングなど様々な実務を経験。モータースポーツ領域でもアメリカを拠点に長年活動。昔は愛車のフルサイズピックトラックで1日1600㎞移動は当たり前だったが最近は長距離だと腰が痛く……。将来は80年代に取得した双発飛行機免許使って「空飛ぶクルマ」で移動?
  • 編集

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

関連テーマ

おすすめ記事

 

マツダの人気画像