【伸びるテーブル】ハイエース・キャンピングカー 技ありアイテムの1台

公開 : 2021.04.27 06:45  更新 : 2021.10.11 11:29

ひと味違うキャンパーに注目。ウォールナットの家具と、スライドアウトするテーブル。セドナが考える“自然と融合する”1台を撮影しました。

「セドナ・バンライフ」とは

text&photo:Hidenori Takakuwa (高桑秀典)

「新しいモノや多くのモノに追われるのではなく、あえて不便をそのまま楽しむ」「求めるのは、物質的な豊かさではなく、心の豊かさ」

セドナ・バンライフ・プロジェクト(SEDONA VANLIFE PROJECT)が提案している、そんなシンプルなライフスタイルに魅了された人は数多い。

セドナ「タイプIII」は、ハイエースDXバン(5ドア:4ナンバー)をベースにした乗車定員6名のモデル。
セドナ「タイプIII」は、ハイエースDXバン(5ドア:4ナンバー)をベースにした乗車定員6名のモデル。    高桑秀典

都市生活や便利なモノに囲まれた毎日から抜け出し、バン1台に必要最低限のアイテムをつめ込んで、自由に生活するバンライフは欧米を中心に広がっていった。

セドナ・バンライフ・プロジェクトが展開しているセドナ・シリーズは「無駄を遊ぶ。大切な時間を自分らしく生きる」ことを実践できる、こだわりのギアなのである。

千葉県・幕張メッセで開催されたジャパンキャンピングカーショー2021の会場に、そんな2台が登場。

無垢材とアイアン・フレームにこだわった内装を楽しめる「セドナ・タイプIII(SEDONA typeIII)」と、ハイエース・ワイドボディをベースにした「セドナ・タイプIV」である。

ブラックウォールナットの家具

なかでも、ここで紹介する「タイプIII」は、“テントでのキャンプも楽しみながら、屋外と融合する”ことを堪能したいユーザーのためのモデル。

そのエクステリアは、商用バンの素朴さ・無骨さを最大限に活かし、モノトーンでスタイリッシュにまとめられている。

全長×全幅×全高は、4695×1695×1980mmという扱いやすいサイズ。リアのインテリアは、平床、家具とその天板をブラックウォールナットで仕立てている。
全長×全幅×全高は、4695×1695×1980mmという扱いやすいサイズ。リアのインテリアは、平床、家具とその天板をブラックウォールナットで仕立てている。    高桑秀典

セドナ・シリーズのベースとなっているのは、ハイエースのDXグレード。あえてブラック・バンパーのDXを使うことで、シンプルなバンライフを外観でも表現しているのだ。

また、パネルバンからヒントを得たフィックス・ウインドウ(FRP製)もバンらしさを表現。スタイリッシュさに加え、クロカンやピックアップ・トラックのように悪路を颯爽と駆け抜ける力強さを併せ持つデザインとなっている。

インテリアは、家具とその天板に住宅建築にも使用される高級木材のブラックウォールナットを使用。

一般的に車内では使われない無垢材を用い、重厚感と落ち着きを感じさせる空間を演出している。時が経つにつれて出る風合いは、本物の木を使用しているからこそ味わえる贅沢な楽しみなのだ。

テーブルを外にスライド?

リアセクションの常設ベッドは、2列目シートと繋げるとフラットな空間(1200×2700mm:就寝定員2名)に。

その傍らには、電源ユニットが組み込まれたカウンターを設置しており、スマホやタブレットなど小物を置くのに重宝する。

常設ベッドの下には、外にスライドアウトするテーブルが。引っ張り出して、キッチン/テーブルとして使えば、車内と車外の境をなくすコンセプトが楽しめるはず。
常設ベッドの下には、外にスライドアウトするテーブルが。引っ張り出して、キッチン/テーブルとして使えば、車内と車外の境をなくすコンセプトが楽しめるはず。    高桑秀典

また、車体の最後部には、外に向かって引き出すことができる「スライドアウト・テーブル」を用意。

食事のときには、これをテーブルにするのはもちろん、キッチンの調理台として使うなど、車内外の境を感じさせないシームレスな空間使いを楽しめる。

無垢材の温かみを、クールかつ無骨に仕上げるアイアンパーツの数々。そして、車室と外の世界を融合するギミック。

クルマのなかで過ごす時間と、自然のなかで過ごす時間のどちらにも重きを置くコンセプトこそ、本モデルの主役だといっていい。

セドナ・タイプIIIの税込み価格は413万500円(2000ccガソリン/2WD/5MT)~となっている。

記事に関わった人々

  • 高桑秀典

    Hidenori Takakuwa

    1971年生まれ。デジタルカメラの性能が著しく向上したことにより、自ら写真まで撮影するようになったが、本業はフリーランスのライター兼エディター。ミニチュアカーと旧車に深い愛情を注いでおり、1974年式アルファ・ロメオGT1600ジュニアを1998年から愛用中(ボディカラーは水色)。2児の父。往年の日産車も大好きなので、長男の名は「国光」

関連テーマ

おすすめ記事

 

トヨタの人気画像