マイルドHVの3.0L直6ターボ BMW X7 xドライブ40iへ試乗 40dに次ぐベターチョイス

公開 : 2022.11.04 08:25

上級大型SUVのBMW X7がフェイスリフト。マイルドHV化された3.0L直6ターボ版を英国編集部が評価しました。

フェイスリフトで2段ヘッドライト獲得

AUTOCARを定期的に読まれている方なら、BMW X7がモデル中期のフェイスリフトを受けたことはご存知だろう。高性能なM60iへの試乗レポートも、ご報告済みだ。

今回試乗したのは、よりわれわれに身近といえるX7のxドライブ40i。動力性能は劣るものの、英国価格は8万2450ポンド(約1385万円)からで、比較すれば現実味が出てくるという読者も増えるはず。

BMW X7 xドライブ40i(北米仕様)
BMW X7 xドライブ40i(北米仕様)

現行のG07型X7が発売されたのは2019年へさかのぼるが、今回のフェイスリフトではかなり大幅にスタイリングへ手が加えられた。特にフロントマスクでは、先日発表された最新の7シリーズにも似た、上下2段に分かれたヘッドライトを採用している。

ユニット自体が2つ重なり、上段の薄い方はLEDのデイタイム・ランニングライト。下段の厚い方は、オプションでレーザーライトも選べるメインライト。標準ではLEDライトになる。

キドニーグリルは更に迫力を増し、イルミネーションを仕込むことも可能になった。バンパーの造形も大胆なものだ。

X7の容姿を従来以上に際立たせることが目的だとしたら、この仕上がりは成功といえる。ひと回り拡大されたX5のようには、誰が見ても感じないのではないだろうか。好みが分かれるとしても。

アルミホイールは標準で21インチ。お望みなら、追加費用で23インチまでサイズアップすることもできる。

iXへ通じる大きなツインモニター・パネル

インテリアの変更も小さくない。ダッシュボード上部には、バッテリーEVのiXへ通じる大きなツインモニター・パネルが据えられた。メーター用は12.3インチ、インフォテインメント用は14.9インチのタッチタイプで、バージョン8となる最新OSが稼働する。

クローム・フレームで縁取りされたダッシュボードの中段部分には、新形状の送風口が収まる。助手席側には、<からX7へモーフィングするイルミネーション付きの化粧パネルがあしらわれる。

BMW X7 xドライブ40i(北米仕様)
BMW X7 xドライブ40i(北米仕様)

実際に押せるハードボタンは、エアコン用からも姿を消した。すべて、中央のタッチモニターへ集約されている。

フロントシートは大柄で、サイドサポートもしっかり。調整域は広く、長時間にも快適なドライビングポジションを見つけやすい。視点が高く前方視界は良好。オプションの巨大なパノラミック・ガラスルーフを装備すれば、開放的な雰囲気を一層高められる。

全長5m超えのボディサイズを活かし、シートレイアウトは2列5名から3列7名まで、3種類が用意される。アウディQ7メルセデス・ベンツGLSランドローバーレンジローバーなどがライバルのSUVとして、高級感だけでなく実用性も外せない要素となる。

2列5シーターの場合、荷室容量は750Lと巨大。3列6シーターか7シーターを選ぶと326Lへ小さくなるが、シートを折りたためば拡大できる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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