第4四半期は初の「テスラ超え」 年間販売302万台BYDがテスラを猛追 要因は地場での台数

公開 : 2024.01.06 08:25  更新 : 2024.01.09 09:50

BYDが販売台数でテスラを猛追しています。2023年度は302万台販売で、第4四半期は初の「テスラ超え」を達成。なお2023年世界1位はテスラモデルYです。さてBYDはどこでそんなに売れているのでしょうか?

BYD前年比62%アップで2023年の販売台数は302万台

2024年の年明けから間もなく、BYDは2023年の通年販売台数(BEV+PHEV)が302万4417台であることを発表した。

前年比+62%、目標の300万台を突破したことで、はじめてメーカー別販売台数の世界トップ10内に入る見通しとなっている。

BYDが販売台数でテスラを猛追
BYDが販売台数でテスラを猛追

純粋な電気自動車であるBEVだけに限るとBYDは157万4822台の販売を記録。BYDが猛追しているテスラの販売台数180万8581台に通年では超えられなかったものの、2023年10~12月(Q4)のBEV販売台数では初のテスラ超えを実現した。

2023年Q4に販売されたBYDのBEVは52万6409台、対するテスラは48万4507台とBYDが4万台以上、上回る結果となった。Q4で初めて、BEV販売においてBYDがトップに立ったことは大きなニュースとして世界中を駆け巡っている。

なお、BYDは2022年3月末で純ガソリン車の生産を終了しており、以降はBEVとPHEVの生産に注力している。BEVが占める割合が昨年に比べて大幅に増えていることも注目したい。

2022年1~12月 BEV 91万7114台/PHEV 94万6239台
2023年1~12月 BEV 157万4822台/PHEV 143万8084台
2022年はPHEVが約3万台弱多い程度で、ほぼ半々だったのが2023年はBEVが約14万台も上回る結果となった。

ところで、2023年の第4四半期ではBYDがテスラを抜いてトップに立ったものの、2023年の1年間でEVも含めた全乗用車でもっとも売れたのはテスラモデルYである。それは果たしてどれくらい売れているのか?

2023年世界で最も売れたクルマは、カローラを抜いてテスラモデルYか

2023年の第4四半期ではBYDがテスラを抜いてトップに立ったものの、2023年の1年間でEVも含めた全乗用車で、もっとも売れたのはテスラモデルYである。

1月2日にテスラ公式から出されたプレスリリースによると、2023年のモデル3/Yの合計販売台数は173万9707台。

BYDが販売台数でテスラを猛追
BYDが販売台数でテスラを猛追    加藤博人

モデル3とモデルYの内訳については1月下旬に発表される見込みだが、モデルYの販売台数は120万台前後とされており、前年度1位のトヨタカローラ(112万台)を抜いて世界トップに躍り出ることは確実だろう。

実際のところ2023年第1四半期/第2四半期/第3四半期、つまり2023年1~9月の期間はモデルYが世界で最も売れた四輪車であった。

モデルYは北米市場で前年比+99%の売り上げを記録するなど大変好調であるが、欧州や中国においても絶好調である。中国市場では2023年11月に4万9877台を販売し、車名別ランキングで1位となった。

欧州市場における2023年1月~10月までの登録台数は20万9000台超。前年同期が8万5823台だったことを考えると北米以上のすさまじい伸びとなっている。欧州ブランドでないモデルが欧州市場で販売首位になることは、注目に値する歴史的な瞬間となるだろう。

このようにテスラの強さは米国以外の中国や欧州いずれの市場でもトップセールスを記録していることである。いっぽう、BYDはどこが販売の主力となっているのだろうか?

記事に関わった人々

  • 執筆

    加藤久美子

    Kumiko Kato

    「クルマで悲しい目にあった人の声を伝えたい」という思いから、盗難/詐欺/横領/交通事故など物騒なテーマの執筆が近年は急増中。自動車メディア以外ではFRIDAY他週刊誌にも多数寄稿。現在の愛車は27万km走行、1998年登録のアルファ・ロメオ916スパイダー。クルマ英才教育を施してきた息子がおなかにいる時からの愛車で思い出が多すぎて手放せないのが悩み。
  • 編集

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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