今年のモントレーの傾向は? Part-3「RMサザビースの意地」

最終更新日:2017.08.26

ポイント4 フェラーリは伸び悩み


オークションの王者といえるフェラーリだが、ここでは本命といえるモデルは無く、脇役といえるモデルが多かったため記録は生まれなかった。ミッレ・ミリアの名脇役といえるフォンタナ製のユニークなデザインのボディを備えるフェラーリ166MM/212エクスポート・ウォーヴォ(4億9500万円)と1955年フェラーリ121LM(6億2920万円)、1954年フェラーリ500/735モンディアル・スパイダー・ピニンファリーナ(4億2350万円)が出品されたが、どれもそれなりの額で終えている。人気の250GT SWBはストラダーレのため9億1355万円にとどまったが、健闘したのは1965年フェラーリ275GTB/6Cアロイで、最近の相場を越える3億9325万円まで値を上げた。

このほか近代の限定モデルが高値で落札されているが、どれもローマイレージの極上モデルのためである。少々旧いモデルだがその傾向を端的に物語るのが512BBiで、走行911kmの新同車が4719万円まで値を上げたのに対し、走行32,733kmのそれなりのコンディションのBBiは2662万円で終えていることからも分かろう。

ポイント5 ポルシェ356初期型が1億円超え


オークションに欠かせぬ存在のポルシェは、1951年のポルシェ356 1500から最新の918までの17台が出品された。ここでのニュースは1951年の初期型ポルシェ356が1億円の大台に突入したことだ。4カムモデルでは既に1億円オーバーの世界に突入していたが、初期型としては初の記録となる。

このほか1970年のニュルブルクリンク1000kmでH.ヘルマン/R.アトウッドのドライブで2位に入ったポルシェ908/03が姿を見せ、最終的に3億9325万円で落札されている。911系は全般に落ち着きを取り戻しつつあり、45年間同一オーナーが所有しオリジナル度の高いナローのSは1500万で終えている。

ポイント6 マニアックさも健在


抜かりの無いRMサザビースだけに売れ線の人気モデルだけではなく、マニアックなモデルもしっかりと用意されていた。中でも黎明期のアバルトが1953年に送り出した1100スポルト・ギアは希少なだけに9801万円で落札されている。このほか1966年イゾ・グリフォGLシリーズIは3328万円、更にマニアックな1952年シアタ・フォード208Sカブリオレ・スペチアーレ・スタビリメンティ・ファリーナは2299万円で終えた。マクラーレンの歴史を語る上で欠かせぬ1966年のM1Bカンナムカーはレーシングマシンだけに2475万円安目に設定された最低落札額まで届かず流れてしまったが、1979年のインディカーであるM24Bは2360万円で落札されている。

次ページからはRMサザビース・モントレー・オークションの結果を物語る落札額ベスト60の各車と、マニアックなモデルをお目に掛けよう。

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