“カチコチ” に凍ったこの車両は… 初公開「超高級EV」寒冷地テスト 英レンジローバー・エレクトリック

公開 : 2024.04.25 06:05

レンジローバー初のEV「レンジローバー・エレクトリック」のプロトタイプが公開された。マイナス40度の北極圏でモーターや電子機器の性能をテストしている。今年末に販売開始予定だ。

レンジローバー史上初のEV

英国の自動車メーカーであるJLR(ジャガーランドローバー)は、新型EVの「レンジローバー・エレクトリック」の新たな画像を公開した。

今年末の発売に向けて開発が最終段階に入っており、マイナス40度にもなる北極圏でテストを行う様子が写っている。車両はプロトタイプだが、ほぼカモフラージュのない状態で全体像が披露されるのは初めて。

JLRが公開したレンジローバー・エレクトリックのプロトタイプ
JLRが公開したレンジローバー・エレクトリックのプロトタイプ    JLR

黒一色に塗られたプロトタイプは、2022年から販売されている内燃エンジン搭載のレンジローバーとほとんど違いがないように見える。

レンジローバー・エレクトリックは、シリーズ初のEVモデルである。JLRは、「モダニズムのデザイン言語により、レンジローバーの血統に忠実である」とし、従来モデルとはわずかな違いしかないことを示唆している。

同様のアプローチはメルセデス・ベンツにも見られる。Gクラスの新しいEV版では、内燃エンジン版とほぼ同じデザインになるとされている。

開発の現段階では、過酷な条件下でのトランスミッション、電気モーター、電子機器の性能にフォーカスを当てている。JLRは、社内で組み立てられたバッテリーと電気駆動装置(EDU)を使用する最初のモデルであることを強調している。

また、従来のABSベースのトラクション・コントロール・システムではなく、ソフトウェアにより各車輪のスリップを正確に管理し、「車輪のトルク反応時間を約100ミリ秒からわずか1ミリ秒に短縮した」という。その結果、「あらゆる路面でトラクションが最大化」されるとのことだ。

しかし、800Vの高電圧システムを採用することを除いて、具体的な仕様詳細や性能数値はまだ明らかにされていない。

JLRは昨年12月にレンジローバー・エレクトリックのウェイティングリストを公開し、今年2月までに1万6000人以上の「関心」を集めたとしている。

このウェイティングリストは、正式な予約というよりは興味を持っていることを示すものだが、JLRのエイドリアン・マーデルCEOは「顧客の強い関心に興奮している」と述べた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    役職:雑誌副編集長
    英国で毎週発行される印刷版の副編集長。自動車業界およびモータースポーツのジャーナリストとして20年以上の経験を持つ。2024年9月より現職に就き、業界の大物たちへのインタビューを定期的に行う一方、AUTOCARの特集記事や新セクションの指揮を執っている。特にモータースポーツに造詣が深く、クラブラリーからトップレベルの国際イベントまで、ありとあらゆるレースをカバーする。これまで運転した中で最高のクルマは、人生初の愛車でもあるプジョー206 1.4 GL。最近ではポルシェ・タイカンが印象に残った。
  • 翻訳

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    役職:副編集長
    AUTOCARの若手の副編集長で、大学卒業後、2018年にAUTOCARの一員となる。ウェブサイトの見出し作成や自動車メーカー経営陣へのインタビュー、新型車の試乗などと同様に、印刷所への入稿に頭を悩ませている。これまで運転した中で最高のクルマは、良心的な価格設定のダチア・ジョガー。ただ、今後の人生で1台しか乗れないとしたら、BMW M3ツーリングを選ぶ。

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