2017 モータースポーツファン感謝デー

2017.03.04-05

text:Kazuhide Ueno (上野和秀) photo:MOBILITY LAND (モビリティランド)

 
鈴鹿サーキットに春を告げるイベントとして親しまれている「モータースポーツファン感謝デー」が今年も開催された。年を追うごとに充実したプログラムとされ、今年も新たな企画が数多く用意して来場者を楽しませた。4日(土)が26,500人、5日(日)は32,000名と、2日間で合計58,500名のファンが来場し、大盛況となった。

事前の告知では鈴鹿に縁のあるF1ドライバーで昨シーズンをもって引退したフェリペ・マッサが来場する予定だった。しかし、急遽F1に復帰することが決まったため、1998〜99年のF1ワールドチャンピオンのミカ・ハッキネンを招き、トークショーやサイン会が行われた。

このイベントの常連であるジャン・アレジと、息子で今年はGP3に参戦するジュリアーノ・アレジが昨年に引き続き登場。今回はイコール・コンディションとなる2台のフェラーリ458チャレンジで親子対決が実現し、ジュリアーノが制した。このほか「Ferrari F1 Lap」と称してジャンが2006年のフェラーリ248F1、ジュリアーノが1987年のフェラーF187に乗り込んでデモ走行が行われ、フェラーリ・サウンドを鈴鹿に響き渡らせた。

2012年のモータースポーツファン感謝デーから始まった「永遠のライバル対決 星野一義VS中嶋悟」は、これまで星野が4勝、中嶋が5勝で今回の対決を迎えた。今回使用するマシンは2台のティレル019。同じ条件で臨んだ対決だったが、星野のマシンはギアボックス・トラブルのため本来の走りができず、本気の走りを見せた中嶋が6勝目をあげた。

新たな企画として「一貴VS可夢偉 世界の頂点を知るSFトップドライバー対決」が行われた。共にF1で戦い、現在は国内トップフォーミュラのスーパーフォーミュラに参戦している中嶋一貴と小林可夢偉により、自身が乗るスーパーフォーミュラ・マシンを用いて対決を行った。記念すべき初対決は、バトルの末可夢偉に軍配が上がった。

対決シリーズはさらにもうひとつが用意され、ARTAで共に闘う「鈴木亜久里VS土屋圭市 禁断のGT300バトル」が開かれた。ARTAがSUPER GTシリーズで使用したCR-Zに鈴木亜久里が、BMW M6 GT3に土屋圭市が乗ったが、マシントラブルのためデモランに変更されてしまった。

スーパーフォーミュラ オープニングラップは、今期参戦する19台すべてが参加した。レース形式で7周の走行が行われ、激しいバトルの末2016年チャンピオンの国本雄資がトップでチェッカーを受けた。

「Hondaロードレースの源流」では黎明期の2輪GPマシンが姿を見せ、当時世界で闘った高橋国光と北野元が華麗なライディングを披露。当時から乗ることが夢だったという星野一義も加わりRC166で駆け抜けた。このほか往年の鈴鹿8耐で活躍した名車たちが集り、2輪車ファンから熱い声援が送られた。

グランドスタンド手前のイベント広場「GPスクエア」では、ホンダF1マシンやの展示や搭乗体験、ピットビル2階のホスピタリティラウンジでのサイン会やトークショーなど、レーシングコースに負けぬ盛りだくさんのイベントが開催された。

また、この期間中に、伝統の鈴鹿1000kmレースのコンセプトを継承しつつ、新しいレースとして、「第47回サマーエンデュランス 鈴鹿10時間耐久レース」(仮称)の開催が発表された。SUPER GTシリーズを統括する株式会社GTアソシエイションと、ブランパンGTシリーズを始め各国のGTレースを統括するSROモータースポーツグルループ(Founder & CEO:ステファン・ラテル氏)との協力のもと、欧州・米国・日本・アジアなど、世界各国で活躍するGT300・GT3マシンが一堂に会するGT世界統一戦として開催されるもの。開催日は2018年8月23日(木)~26日(日)が予定されており、レースファンには見逃せないものとなろう。

  • 永遠のライバル対決はティレル019フォードで競われ、対決後に観客に手を振る中嶋 悟(左)と星野一義(右)。

  • 世界の頂点を知るSFトップドライバー対決は、中嶋一貴と小林可夢偉が自身のSFマシンで競った。

  • 世界の頂点を知るSFトップドライバー対決は可夢偉が制した。走行後に語る小林可夢偉(左)と中嶋一貴(右)。

  • 1998〜99年のF1ワールドチャンピオンのミカ・ハッキネンが来日し、トークショーやサイン会に登場した。

  • 昨年に続きジャン&ジュリアーノ・アレジ親子が招かれ、フェラーリF1のデモランのほか対決も行われた。

  • ジャン&ジュリアーノ・アレジ親子対決はフェラーリ458チャレンジを使い、ジュリアーノが制した。

  • 期間中にはスーパーフォーミュラ公開テストが行われると共に、模擬レースのオープニングラップも実施。

  • SUPER GTのデモレースでは、ニッサン、トヨタ。ホンダの2017年型マシンが姿を見せ注目を集めた。

  • 世界を席巻するGT3マシンと題して、スーパー耐久シリーズで活躍するGT3マシンのデモランを実施。

  • 「フェラーリF1 ラップLap」では、ジャン・アレジが2006年を闘ったフェラーリ248 F1で駆け抜けた。

  • もう1台のフェラーリF1は、鈴鹿に縁の深い1987年フェラーリF187をジュリアーノ・アレジがドライブした。

  • 新たな対決として「鈴木亜久里VS土屋圭市」が行われた。スタート前に対決の記念写真を撮影する両名。

  • ARTAオールスター・トークショーには伊藤大輔、脇阪寿一、本山哲、金石勝智、土屋圭市、鈴木亜久里が参加。

  • グリッドウォーク&ピットウォークは、普段近寄れないマシンを間近に見られるだけに大盛況だった。

  • モータースポーツファン感謝デーの中で、鈴鹿サーキットクイーン卒業式が行われ、その活躍が称えられた。

  • 「Hondaロードレースの源流」企画では、高橋国光が当時乗ったホンダRC142でデモランを行った。

  • 「Hondaロードレースの源流」では星野一義が念願だったワークスマシンのホンダRC166で駆け抜けた。

  • 鈴鹿8耐の歴史を作り上げてきた歴代の名マシンたちが時空を超えて集り、デモランを行った。

  • ホンダF1 & ARTA GTマシン展示ブースでは、F1マシンの搭乗体験が行われ、来場者の人気を集めていた。

  • 鈴鹿10時間耐久レース開催が発表され、SROモータースポーツグループ代表のステファン・ラテル氏が来場。

  • 2017年モータースポーツファン感謝デーの最後は4輪車と2輪車のフィナーレ・パレードで幕を閉じた。

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