ヒョンデ アイオニック5 新たな「プレミアム」を定義するゲームチェンジャー

公開 : 2024.04.15 11:00

期待を裏切らぬ上質なドライブフィール

見た目の上質な雰囲気は、そのままアイオニック5の動的質感にも反映されている。遮音がよく効いた硬質なモノコックボディと、しっとりと路面を捉える足回り。車幅が広くトレッドが広いので操舵に対するクルマ全体の反応もリニア。それでも2.1tという車重がうまく働いており、しっとりとした上質なドライブフィールにまとめられている。

モーターの最高出力はフロントが95ps、リアは210psに設定されている。ガソリン車でいえばFRベースのAWDといったところ。実際にステアリング越しにフロントの駆動を感じることは皆無なのだが、実はフロントにはクラッチのような機構が備わっており、モーターが働いていない時にはモーターとドライブシャフトが切り離されているらしい。すっきりとしたドライブフィールにはちゃんとした理由があったのである。

72.6kWの走行用バッテリーを搭載するアイオニック5ラウンジAWDの一充電走行距離はWLTCモードで577km。この数値は2駆のラウンジの618kmより若干控えめだが、それでも十分な距離といえる。もちろん充電はCHAdeMO規格の急速充電が利用可能で、90kWの出力ならば30分で10%から80%近くまでバッテリーを満たせるという。

完成度と質感の高さ、そして見た目のインパクトを考えれば、今回試乗したアイオニック5のトップモデルであるラウンジAWDの599万円(居住地域によるが補助金で100万円ほど差し引かれるはずだ)という車両価格はバーゲンプライスにも思えてくる。プレミアムで使えるBEVを探す場合、その選択肢の中にアイオニック5を含めない手はないはずだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。BMW 318iコンパクト(E46)/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    小川和美

    Kazuyoshi Ogawa

    1986年生まれ。クルマ好きの父親のDNAをしっかり受け継ぎ、トミカ/ミニ四駆/プラモデルと男の子の好きなモノにどっぷり浸かった幼少期を過ごす。成人後、往年の自動車写真家の作品に感銘を受け、フォトグラファーのキャリアをスタート。個人のSNSで発信していたアートワークがAUTOCAR編集部との出会いとなり、その2日後には自動車メディア初仕事となった。

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