ヒョンデ アイオニック5 新たな「プレミアム」を定義するゲームチェンジャー

公開 : 2024.04.15 11:00

「ラウンジ」の名は体をあらわす

アイオニック5の実車を目の当たりにして驚かされるのはやはりそのサイズ感だろう。リアオーバーハングのボディ形状によってハッチバックに分類されるが、前後のドアを開け放って覗き込んだ室内空間はフルサイズのサルーンにも比肩するようなゆったりとしたスペースが広がっている。

直線的で張りのあるボディパネルによるインパクトは相当なもの。デジタルティールグリーンパールという塗色も、近未来的なフォルムの中にノスタルジーが入り混じったスタイリングを際立たせている。

室内は明るくて広く、フロアもフラットで開放的。本革が奢られたフロントシートはボタンひとつでオットマンが展開しくつろげるポジションになる「リラクゼーションコンフォートシート」を装備。まさにグレード名よろしく「ラウンジ」を思わせる空間なのだ。一方リアのシートスペースも身長185センチの筆者が足を組めるほどの広さが確保されている。

室内と車外において思いっきり電気製品が使えるV2L用の電源ポート(1600Wまで使用可)を備えているので移動オフィスのような使い方だってできるのである。

2枚のデジタルパネルが横並びに配され、その下段に物理スイッチが整然と並ぶダッシュパネル周りはお洒落家電のような雰囲気が漂っている。しかも内装材にしてもスイッチ類にしても、見た目のカッコよさだけでなく、質感の高さもはっきりと伝わってくる。アイオニック5はハッチバックでありながらプレミアムモデルという稀有な立ち位置のBEVだったのである。

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。BMW 318iコンパクト(E46)/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    小川和美

    Kazuyoshi Ogawa

    1986年生まれ。クルマ好きの父親のDNAをしっかり受け継ぎ、トミカ/ミニ四駆/プラモデルと男の子の好きなモノにどっぷり浸かった幼少期を過ごす。成人後、往年の自動車写真家の作品に感銘を受け、フォトグラファーのキャリアをスタート。個人のSNSで発信していたアートワークがAUTOCAR編集部との出会いとなり、その2日後には自動車メディア初仕事となった。

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