超・徹底解説 BMW 5シリーズ

公開 : 2017.01.12 05:50

スポーツ・モードでの硬められたダンパーは、ボディ・コントロールにも影響し、高速コーナーでの挙動はコンフォート・モードよりニュートラルな傾向を示す。

これを補助するのが、電子制御スタビライザーだ。既存の油圧ものより素早く作動するそれは、オプションのダイナミック・ドライブで統合制御される。ただし、当然というべきか、路面からの突き上げが増し、乗り心地が悪化する。

さらに不整路面では、中速コーナーでのバンプなどをいなしきれず、時として苛立ちを覚えるほどだが、こちらはコンフォート・モードでも同様の傾向が見られる。

根本的な特性として、アスファルトの欠けなどの悪条件に遭った場合など、ボディに発生する不快な振動は打ち消しきれなかったようだ。

総評

5シリーズの能力向上はあらゆる面で、メルセデスEクラスを超えた。つまり、この上ない領域に到達したといえる。ハイ・レベルな質感や居住性はもちろん、快適性や洗練性においても熟成を深めた。これらは、このカテゴリーで成功するには不可欠な要素だ。

また、最新のコネクティビティやドライバーズ・アシストも備えると同時に、スポーツ・モードで限界まで攻めてみれば、驚異的なまでに熱中できて、極めてレスポンスのよい、BMWの美点も継承していることが実感できる。間違いなく、5シリーズは大きな前進を果たしたのだ。


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