なぜ「ラングラー」は、10年前の7倍売れているのか? 現代のジープが選んだ進化とは

公開 : 2022.06.08 07:50

癖になる2.0リッターターボの走り

パワーユニットも、このJL型から直列4気筒の2.0リッターターボが採用されている。ラングラーは車重が2トンほどあるから、力不足を心配する人もいるようだ。が、問題はひとつもない。何せ272ps/5250rpmに400Nm。従来の3.6リッターV6よりパワーは12ps小さいが、むしろこうしたクルマに重要なトルクは53Nmも大きいのだから。

このエンジンと8速ATのマッチングが、なかなかいい。エンジンは低回転域でのトルクも充分にあって、アクセルペダルをじんわり踏んでいけば難なく穏やかに前進するし、ATも神経質な変速を繰り返したりはせず、悠然と走らせてくれる。一方でリッター100psを楽々越えるパワーを持ち合わせてるから、グイと踏み込めば爽快な加速を味わわせてくれるし、素早い変速でスピードを繋いでくれる。

つまりエンジンはアクセルペダルの踏み込み量に応じて過不足のない適切な力を提供してくれるし、トランスミッションの方も予期せず望んでもいないタイミングの変速というのをほとんどしないから、ドライバーの意志に常に忠実。リラックスした気分で走行できるのだ。街中でも高速道路でも運転しやすいと感じられるのは、だからこそ。あくまでもドライバーオリエンテッド、なのだ。

▶️ジープ「ラングラー」 公式サイトを見る

記事に関わった人々

  • 撮影

    神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。

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