英国で大人気のイベント「平凡なクルマの祭典」【クロプリー英国版編集長コラム/クルマ漬けの毎日から】

公開 : 2026.08.17 17:05

イングランドのグリムズソープ城で今年も「平凡なクルマの祭典」が開催されました。本国版AUTOCAR編集長スティーブ・クロプリーによるコラムです。

過去最大、2500台集合!

この夏も、嬉しいことにクルマ関連のイベントは休みなく続いている。

今日は、今年で12回目となるイベント「平凡なクルマの祭典(Festival of the Unexceptional)」の会場へ向かった。

約2500台の普通のクルマがグリムズソープ城に集合。
約2500台の普通のクルマがグリムズソープ城に集合。

これはイギリスの保険会社ハガティが主催するイベントで、製造から25~55年経過したごく普通のクルマを愛でる祭典(コンテスト)。

今回はこれまでで最大規模となり、会場のグリムズソープ城(イングランド東部のリンカシャー州)には、推定2500台ものクルマが集まった。

例年同様、あらかじめ50台のファイナリストが選ばれ、私を含む8人の審査員がこの会場で最終審査を行なう。

私たち審査員にとって、今日は時間との戦いだった。

審査は午前10時頃から開始し、午後2時に終える予定になっていた。だが、日産プレーリー(1985年式)の上質な個体と、プロトン・エアロバック(1989年式)のどちらが優れているかを議論しているうちに、時間は刻々と過ぎていったのだ。

この2台を大真面目に議論する日が来ようとは、いったいだれが想像しただろうか?

2026年の優勝車は?

総合優勝に輝いたのは、ゴードン・マクニールさんが所有する2001年式のフォルクスワーゲン・ポロE。

マクニールさんは20年前に総走行距離3万mile(約4万8000km)で、彼の最初のクルマとしてこのポロを買った。

優勝車はゴードン・マクニールさん所有のフォルクスワーゲン・ポロE(2001年式)。
優勝車はゴードン・マクニールさん所有のフォルクスワーゲン・ポロE(2001年式)。

ポロのオーナーとなったマクニールさんは、自身でさらに14万mile(約22万5000km)以上走行。「自分に必要なのはこのポロだけ」とずっと言い続けている。

1.0リッターの基本スペックのポロEは、この20年のあいだにシルバーストンとニュルブルクリンクを走り、イギリスのドラッグレースの聖地「サンタポッド」でも49馬力のパワーを存分に発揮している。

オーナー夫妻の結婚式ではウェディングカーとなり、またヨーロッパへの長距離旅行の足としても、何度も活躍してきた。

これまでポロに手をかける必要はほとんどなかった。だが、プロにサイドシルの修理を依頼した時、その仕上がりに満足できなかったマクニールさんは、溶接とボディパネルの修理を学び、自分の手で仕上げ直したという。

今年も「平凡なクルマ」にまつわる素晴らしい話をたくさん聞くことができ、楽しい一日になった。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    役職:編集長
    50年にわたりクルマのテストと執筆に携わり、その半分以上の期間を、1895年創刊の世界最古の自動車専門誌AUTOCARの編集長として過ごしてきた。豪州でジャーナリストとしてのキャリアをスタートさせ、英国に移住してからもさまざまな媒体で活動。自身で創刊した自動車雑誌が出版社の目にとまり、AUTOCARと合流することに。コベントリー大学の客員教授や英国自動車博物館の理事も務める。クルマと自動車業界を愛してやまない。
  • 翻訳

    小島薫

    Kaoru Kojima

    ドイツ自動車メーカーの日本法人に在籍し、オーナーズマニュアルの制作を担当。その後フリーランスで翻訳をはじめる。クルマはハッチバックを10台以上乗り継ぎ、現在はクーペを楽しんでいる。趣味はピアノ。

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