なぜ「ラングラー」は、10年前の7倍売れているのか? 現代のジープが選んだ進化とは

公開 : 2022.06.08 07:50

本物の性能で日常から飛び出そう!!

その性格は、オフロードの上でも有効に働いてくれる。ターボラグを感じさせず踏み込み量に忠実だから、悪路にいて微妙なアクセル操作で僅かな駆動力だけを路面に伝えたいときも、狙ったとおりジワリといける。ラングラーはあらゆる部分が、そんなふうに作られている。オフローダーとしての最良とはどうあるべきか、そこを追求し続けてる姿勢をあらゆるところに見て取れるのだ。

従来の仕組みでも充分だった4WDシステムが“セレクトラック・アクティブ・オンデマンド・フルタイム4WD”と名付けられた電子制御式へと進化したのも、もちろんその一環だ。人間の操作よりも遙かに素早く正確に反応する電子制御システムの実力は、実際に体験したことのない人の想像を遙かに超えている。

ぬかるんだ壁のような登り坂。奈落に思える雨の下り坂。頭の大きさの石がゴロゴロ転がるガレ場。タイヤが浮きまくるモーグル。圧雪路に凍結路。並みの4WD車ではもちろん、いちばん信頼できる自分の足でも踏み込むのを躊躇するような道なき道を、ラングラーは鼻歌まじりで走り抜けていくのだから。

いい季節になった。多少の手間は必要だが取り外し可能なフリーダムトップを開け放って、どこかに行きたい。美しい緑に濃密な空気が流れる、どこかへ。──青山通りに停まっていたラングラーを眺めながら、僕はそんなふうに夢想した。

▶️ジープ「ラングラー」 公式サイトを見る

記事に関わった人々

  • 撮影

    神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。

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