カジュアルなフラッグシップ ジープ・グランドチェロキー・リミテッドの真価

公開 : 2023.02.17 19:00

オフロード生まれ 充実の装備

今回の試乗では少しだけ寄り道をして、林道や大きな石が転がる河原でもドライブを楽しむことができた。

カメラマンの要望に応えてちょっとした段差に前輪を乗せた時に、これまでにないグランドチェロキーの真価を実感した。

サスペンションをフルストロトークさせる際の軋み音とは無縁のモノコックボディにまず感心させられたし、対角線上のタイヤが浮く寸前になっている様子も車体を通してつぶさに感じられる。

また、その際の車輛全周を映し出すカメラも実用的で、ボディの大きさや死角を感じさせなかった。

高速道路でドライブモードをAUTOに設定し、ACC(アダプティブクルーズコントロール)で楽ちんなドライブを楽しんでいる限り、グランドチェロキー・リミテッドは最新の普通車のように振舞っている。

だが状況が変わるとクルマ自体が的確に反応し、オフロード生まれのタフなDNAが顔を覗かせるのだ。

また、リミテッドはグランドチェロキーのスタンダードモデルという位置づけであるにもかかわらず、ADASをはじめとする安全装備も見劣りしない点も感心させられた。

確かにサミットリザーブや4xeといった上級モデルは相応のプレミアムな世界観を提供してくれる。

でもだからと言ってスタンダードモデルであるリミテッドが様々な装備を省略した廉価版というわけではない。

それはカジュアルなジープの最高峰と呼ぶべき魅力的な1台だったのである。

ジープ新型グランドチェロキー 公式サイトでみる

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。BMW 318iコンパクト(E46)/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。

ジープ・グランドチェロキー4xe/リミテッドに試乗

前後関係をもっとみる

関連テーマ

おすすめ記事


ジープ グランドチェロキーの人気画像