ロールス・ロイスで「お抱え運転手」体験 VIPを送迎 注意事項は?

2018.10.13

2度目の挑戦

こういう道路状況なら、わたしならまず地下鉄で行く。それでも、FMから流れるチャイコフスキーやモーツァルト(合間にヘルペスの薬の広告なんかも入ったりするが)をバックに、街行くひとの好奇の視線を浴びながら贅沢なクルマで快適に連れてもらうことの魅力は、たしかにわからないでもない。

ようやく目的地に着いた。お客は「10分ほどでもどりますから」と言いのこして去っていった。

そのあいだにクルマを回して道の右側の乗り場につけなおすことにしたが、ロンドンタクシーですら停まって道を譲ってくれるのはさすがファントムだ。メルセデスのVクラスあたりだとこうはいかないだろう。

お客が戻ってきた。今度は心の準備も大丈夫。自信をもってにこやかにごあいさつ。左手は後ろ手にまわし、右手でドアを開け、お客がシートに落ちつくのを待ってそっと閉める。クルマの後ろを通って運転席へすべりこんだら車内の温度とラジオのボリュームをうかがい、目的地を確認してさあ出発だ。

ファントムが交通の流れにまじったところで、おもむろに尋ねてみた。「お客さま、会議はいかがでしたか?」

お客は「うまくいったよ。ありがとう、ジョン」と返したが、それ以上は口にしなかった。でもゆっくりしたいのがわかったから、それでいいのだ。

 
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