英国ラグジュアリーサルーン対決 ミュルザンヌ vs ゴースト 回顧録

2019.01.06

迷ったら2台とも

スタイリングはゴーストのほうが優れていると思うが、ミュルザンヌのほうがビジュアルのインパクトを持っていることも間違いない。後方視界はゴーストのほうが上だがミュルザンヌのほうがドアミラーの視野は広い。

ゴーストには指先で扱える操作系の軽さがあり、ミュルザンヌにはスポーティなステアリングがある。ゴーストはエレガントな単純さが美徳だが、ミュルザンヌのすべてを備えたダッシュボードも扱いやすい。ゴーストのエグゾーストもミュルザンヌのテールライトも魅力的だ。

この2台のうちどちらかを選ぼうと判断を試みるうちに、夜中になろうというのに目が冴えてしまい眠れなくなってきた。結局午前3時になって、わたしはノートにこう書きつけた。「ミュルザンヌのほうが挙動に優れ、ゴーストのほうが存在に優れる」これでなんとか眠りにつくことができた。

結論としては、わたしは結局ゴーストを選んだ。それは最初に運転した際口にしたように、このクルマを造った人間が下した選択が、価格からサイズ、パワートレインやサスペンションのセッティング、そしてスタイリングに至るまで、すべてが最高の品質となって現われているからだ。

何よりもそのスタイリング。これは1960年代中期のあの名車ロールス・ロイス・シルバーシャドウ以来の4ドア高級サルーンの中で最高のバランスを実現しているといえるからである。ただ問題なのは、最新のミュルザンヌが提供する最高級のドライビングを体験してしまったあとでは、ほかのどのクルマを選んでももはや満足できないのでは? と自分に不安を感じるようになってしまったことである。

このような場合には、もはや選択肢はひとつしか残されていない。「迷ったら両方買う」という結論である。つまりそれは、世のロールスやベントレーのオーナーすでに、いや常にしているように、ということである。

 
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