新たな人生のスタート カルタ・ラリー ダチア・ダスターと傷痍軍人たちの挑戦

2019.05.19

レースは手段 門戸を広く

こうした傷痍軍人のためのモータースポーツ活動というのは、フューチャー・テレインが初めてではなく、ラリーでも、すでにRace 2 Recovery(レース・トゥ・リカバリー)が2度ダカール・ラリーに出場して、チャリティーのための資金集めを行ったという実績がある。

だが、確かにこの先例が刺激になったとは言え、フューチャー・テレインの活動はまったく異なるものであり、それはチームが使用するデザートオレンジのダチア・ダスターが物語っている。

「ここにはモータースポーツのために来ていますが、それはわれわれが達成したいことの手段でしかありません」と他のメンバーとともにチームを立ち上げたグラント・ホワイトは言う。「われわれに不可能などないのです」

かつてBCCC(British Cross Country Championship:英国クロスカントリー選手権)に参戦していたホワイトは、何人かのRace 2 Recoveryのオリジナルメンバーと会った後、2016年にフューチャー・テレインの立上げをサポートすることとなった。当時、BCCCには障害を持つドライバーやコ・ドライバーも参戦可能であり、このチームはふたりの障害を負った選手を参加させることに成功しているが、重視していたのはクロスカントリーラリーであり、ダカールまでは想定していなかった。

ホワイトは「Race 2 Recoveryが義手や義足を付けたメンバーで構成されたチームとして、初めてダカール・ラリーを完走したというのは驚くべきことですが、その参戦費用の高さは、とても続けて出場できるようなものではありませんでした。確かに、フューチャー・テレインは、彼らの成功に刺激を受けてはいますが、さらに門戸が広く、且つ、実世界で役立つトレーニングになるようなものにしたいと考えています。参加したメンバーに、それぞれの人生の基盤になるようなものを掴んで欲しいと思っているのです」

BCCCに集中することで、当初ランドローバー・フリーランダーを使用していたフューチャー・テレインでは、ダカール・ラリー参戦よりもはるかに手ごろなコストで、40人から50人の元軍人をメンバーにするとともに、その活動はより多くのひとびとの目にも留まっている。チームでは、1台のマシンをBCCCに出走させるとともに、同乗試乗まで準備していたのだ。

 
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