クルマ漬けの毎日から

2024.03.23

2020年に開催直前に中止となって以来、5年振りにジュネーブ・モーターショーが開催されました。長年ジュネーブに出かけて取材を続けてきたクロプリー編集長は、今年のショーをどのように見たでしょうか?

5年振りのジュネーブ・モーターショーは成功したのか? 【クロプリー編集長コラム】

もくじ

有益な取材だったが……
フィアットの反撃
閉幕後に発表「来年も開催します!」

translation:Kaoru Kojima(小島 薫)

有益な取材だったが……

ジュネーブ・モーターショーのメディアデー(2月26日)の取材を終え、慌ただしくイギリスのAUTOCAR編集部へ戻ってきた。だが「ジュネーブ・モーターショーは成功したのか?」という物議をかもす話題がまだ残っている。

私自身は、有益な1日を過ごしたという意味において、ショーは確かに成功したと考えている。とはいえ、ニュースバリューという視点から言えば、大きな注目を集める展示はごくわずかだった。だが、AUTOCAR編集部は多くの情報を得て、イギリスへ帰国した。

個人的には、全面刷新された新型ダチア・ダスターは、2009年以来大きな変更がない現行モデルの長所を完璧に受け継いでいると感じた。とくに、4駆の3気筒ハイブリッドモデルに注目している。現在ダスターを所有している私は、近い将来新型を手に入れたいと思うにちがいない。

フィアットの反撃

ところで、今回のジュネーブ・モーターショーに皮肉な反応を示した自動車会社は、フィアットだった。2020年のジュネーブが、新型コロナウィルス感染拡大の影響を受けて開幕直前に突然中止になった時、多額の損害を被ったフィアットの怒りは尋常ではなかったようだ。

フィアットは今年のジュネーブには参加しなかったが、ショーのタイミングに合わせて「パンダにインスパイアされた5台の新型シティカー」のEVコンセプトを公開。ショーには参加せずに、注目を集めることに成功した。フィアットは4か月後に迫る125周年記念イベントまで、この5台のコンセプトカーの公開を待つことができたはずなのだが。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    AUTOCAR UK Editor-in-chief。オフィスの最も古株だが好奇心は誰にも負けない。クルマのテクノロジーは、私が長い時間を掛けて蓄積してきた常識をたったの数年で覆してくる。週が変われば、新たな驚きを与えてくれるのだから、1年後なんて全く読めない。だからこそ、いつまでもフレッシュでいられるのだろう。クルマも私も。

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