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AUTOCARアワード2019 生涯功労賞 マイク・クロス/ジャガー・ランドローバー

2019.06.02

100字サマリー

今年の生涯功労賞は、ジャガー・ランドローバーのマイク・クロスに贈られます。JLR製モデルのダイナミクス性能を、素晴らしく魅力的なものへと変貌させた彼が重視するのがステアリングであり、ドライバーの能力は速さではなく、一貫性で評価できると言います。

もくじ

ダイナミクス性能の伝道師 ステアリングが重要
速く走るよりも大切なこと
番外編1:類まれなる英国のリーダー グレイム・グリーブ/BMW UK
番外編2:類まれなる英国のリーダー デビッド・リチャーズ/プロドライブ
番外編3:類まれなる英国のリーダー ポール・ヴァン・デル・バーグ/英国トヨタ

ダイナミクス性能の伝道師 ステアリングが重要

すべての真のヒーローと同じく、マイク・クロスは、自身の成功を助けてくれたひとびとの名を次々とあげるが、彼独特の車両ダイナミクス性能に対する嗅覚によって、ジャガーの各モデルに違いがもたらされるようになって30年、その間に彼の立場は、勤勉な若手技術者から、新型モデルが狙い通りの仕上がりに達したかどうかを判定する、ジャガー・ランドローバー(JLR)のチーフエンジニアへと変わっている。

「仕事を始めた時、ジム・ランデルから多くを学びました。彼は、昔気質の偉大なエンジニアと呼べる存在でした」とクロスは話す。「フォード傘下にあった時には、リチャード・パリー・ジョーンズから大きな影響を受けています。彼はJLRトップに、素晴らしいダイナミクス性能の重要性を理解させたのです」

「もちろん、ジャッキ・スチュワートを忘れる訳には行きません。F1チャンピオンとして有名な彼ですが、偉大なロードカーについても、非常に多くの知見を持っていました。スチュワートには、本質を見極める能力に加え、素晴らしい人脈もありました」


確かに、彼が言うことのすべては真実だろうが、JLR経営トップが、ジャガー(と、最近ではランドローバーもだ)の販売力の源泉だと考える、その独特なドライビング性能が確立したのは、クロスの在任期間中のことであり、だからこそ、クロスは、自身が大のクルマ好きでもあるラタン・タタやラルフ・スピースといったJLR幹部とともに、最新のJLR製モデルとそのライバルたちとの試乗会へと、定期的に参加しているのだ。

常にジャガーは洗練された速いモデルとして、その低い重心位置と優秀なサスペンション設計によって、優れた乗り心地を確保することに成功していたが、どんな言い訳をしようとも、そのステアリングは軽く、フィールは曖昧なものでしかなかった。

だが、いまでは決してそんなことはない。クロスは、駆動方式の違いといったものに左右されない、路面状況をしっかりと伝え、適度な重みを備えた、理想的なレシオのステアリングというものを、もっとも重視している。

 
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