フォルクスワーゲン ChatGPT音声アシスタントは「単なるギミックではない」

公開 : 2024.01.11 18:05

・フォルクスワーゲンは改良新型ゴルフに生成AI「ChatGPT」搭載。
・音声アシスタントとより自然に会話でき、さまざまな機能を提案。
・「単なるギミック」ではなく、利便性を追求した結果であるとのこと。

改良新型ゴルフにChatGPT導入

ドイツの自動車メーカーであるフォルクスワーゲンは、まもなく発表予定の改良新型ゴルフに生成AI「ChatGPT」対応の音声アシスタントを搭載する。ゴルフ以降、全車種に順次展開していく。

生成AIを活用することで、従来の自社製音声アシスタントよりも操作が「会話的」で「自然」なものになるとされている。

VWは全車種にChatGPT対応の音声アシスタントを導入していく方針だ。
VWは全車種にChatGPT対応の音声アシスタントを導入していく方針だ。    フォルクスワーゲン

例えば、乗員が「寒い」と言えば暖房を入れたり、「パンが欲しい」と言えば近くの店を探したりできる。また、夕食のレシピ提案や子供向けの物語を読み上げるなど、情報とエンターテインメント機能を幅広く提供する。

フォルクスワーゲンは新型車の内装デザインの見直しを進めており、その一環として音声アシスタントの刷新に踏み切った。技術開発部門の責任者、カイ・グリューニッツ氏は取材に対し次のように語っている。

「中国では、シートの調節やテールゲートの開閉など、すべてを音声対話システムで行いたいという要望があります。米国では手触りと感触に優れた大きなスイッチが求められ、欧州ではその中間を求められています」

「当社は今後数か月、あるいは数年でお客様の要求がどう変わるかを見ていきます。どの世界にも対応していく用意があります」

「わたしにとっては、単なるギミックではありません。家庭用システムの研究から、例えば(アマゾンの)アレクサやエコーがどのように使われているか把握しています。クルマでも、同じ利便性とシームレスな相互作用を得られるのです」

このようにクルマとデータを共有することに懸念を抱くユーザーもいるのではないかという指摘に対しては、「スマートフォンと同じように利用規約に同意していただきます。使いたくなければそうお伝えいただくだけでよく、データのやり取りはありません」と答えた。

グリューニッツ氏は、フォルクスワーゲンのEV顧客の70~80%がこの機能を利用しているとし、「日常使いに素晴らしい機能であることを、機能性をもってお客様に納得してもらうことが課題」と語った。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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