どの世代が好き? 歴代フォルクスワーゲン・ゴルフ(Mk1~Mk8)を振り返る 世界的人気モデル、誕生50周年

公開 : 2024.03.29 18:25

1974年3月29日、初代フォルクスワーゲン・ゴルフの生産が開始された。その後50年、8世代にわたって販売され続けている世界的ベストセラー車だ。半世紀の歴史を振り返る。

生産開始から50年 歴代モデル振り返り

フォルクスワーゲン・ゴルフは3月29日、小型ハッチバック「ゴルフ」の生産開始から50周年を迎えたと発表した。

ゴルフの初代モデルは1974年3月29日に生産が開始され、最新の第8世代に至るまで累計3700万台以上が販売された。ハッチバックからカブリオレ、セダンまで、さまざまなボディタイプが登場している。

今からちょうど50年前、初代フォルクスワーゲン・ゴルフの最初の1台が出荷された。
今からちょうど50年前、初代フォルクスワーゲン・ゴルフの最初の1台が出荷された。

今回はゴルフ誕生50周年を記念し、歴代モデルをざっと振り返ってみたい。

わずか2年半で100万台達成

かの有名なジョルジェット・ジウジアーロ氏がデザインした初代ゴルフは、それまでのビートルに代わる、新世代のフォルクスワーゲンの主力となるモデルである。

弊誌は1975年1月に試乗した際、「ゴルフとビートルは比較にならない。より速く、より広く、より安定性が高い。ハンドリングも良く、経済的である」と高く評価した。

フォルクスワーゲン・ゴルフ(初代)
フォルクスワーゲン・ゴルフ(初代)

しかし、完璧というわけではなかった。ドライビング・ポジションに問題があり、高負荷時のブレーキ・フィーリングも悪く、乗り心地は厳しいものだと当時の弊誌記者は指摘している。

それでも、「ゴルフは確かに非常に強い競争力を持つ。もう少し控えめな価格設定であれば、なおさらそうであったろうが、それでもフォルクスワーゲンの市場シェア拡大とベストセラー化は明らかだ」と、評価は概ね好意的なものであった。

ゴルフは1976年10月、累計生産台数100万台を達成した。発売からわずか2年半での快挙である。

伝説的なホットハッチ「GTI」の登場

同年、今では名高い「GTI」がラインナップに加わった。1.6Lのガソリンエンジンはキャブレターから機械式フューエル・インジェクションに変更され、最高出力は110psに向上。シャシーには剛性の高いアンチロールバー、ビルシュタイン製ダンパーが装着され、車高も20mm下げられた。フェンダー・エクステンション、レッドのストライプ、そして(当初は)レッドかメタリックシルバーの2色のボディカラーが選択可能だった。

ゴルフGTIの弊誌のファースト・インプレッションは、「スロットル操作に気を使わなければならない」ほどパワフルで、ハンドリングは「最も印象的」というものだ。

フォルクスワーゲン・ゴルフGTI(初代)
フォルクスワーゲン・ゴルフGTI(初代)

しばしばゴルフGTIは世界初の “ホットハッチ” と紹介されることもあるが、シムカ1100tiが最初だったとする見方が一般的だ。いずれにせよ、ゴルフGTIがホットハッチのブームを巻き起こしたことは間違いない。

時系列が前後してしまうが、1982年、オーストリアのヴェルターゼー湖でGTIオーナーのカーミーティングが初めて開催された。その後、ヴェルターゼー(Worthersee)はGTIファンのメッカとなり、2006年にはフォルクスワーゲンが公式スポンサーとなった。しかし昨年、環境上の理由により現地当局から開催反対を受け、今年はドイツ・ヴォルフスブルクで開催されることになっている。

1976年にディーゼルエンジンがゴルフのラインナップに加わり、3年後にはカブリオレとセダン(後者はジェッタと命名)のボディが追加された。不思議なことに、初代ゴルフは南アフリカで人気があり、生産が終了したのは2009年のことだった。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    英国編集部ビジネス担当記者。英ウィンチェスター大学で歴史を学び、20世紀の欧州におけるモビリティを専門に研究していた。2022年にAUTOCARに参加。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ。テレビゲームで自動車の運転を覚えた名古屋人。ひょんなことから脱サラし、自動車メディアで翻訳記事を書くことに。無鉄砲にも令和5年から【自動車ライター】を名乗る。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴとトマトとイクラが大好物。

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