猫の手も借りたい? 需要に応えきれない! ランボルギーニ・ジャパンのヘッドが語る近況と戦略

公開 : 2024.02.27 21:05  更新 : 2024.02.28 19:47

電動スーパーカーの未来の価値

最後にみんなが気にするであろう質問に対してダビデ・スフレコラ(ヘッド・オブ・ジャパン)が答えた。それは電動スーパーカーの未来の価値についてだ。

「未来のことは誰にもわかりません。昔、ハイブリッドのスーパーカーなんて無理だとみんな言っていましたが、今やそれが常識になりつつあります。スーパースポーツカーの価値はただパワートレーンだけが決めるのではないと思います。

ランボルギーニ・ジャパン ダビデ・スフレコラ(ヘッド・オブ・ジャパン)インタビュー
ランボルギーニ・ジャパン ダビデ・スフレコラ(ヘッド・オブ・ジャパン)インタビュー

真のランボルギーニであり続けることが最も大事なことであり、これからフル電動のランザドールも登場しますが、需要がそもそもどれだけあって、どれだけのユーザーが夢の車として欲し続けてくれるかが重要なのです。電動時代が本格的になってもそこは変わらないと思っています。

デザイン、ライフスタイルアピール、ブランドの価値などランボルギーニにはさまざまに魅力の側面があります。夢のクルマであり続ける限り、そして欲しい人がいる限り価値は減らないでしょう。私は電動スーパーカーの未来について、楽観的ですよ」

電動スーパーカーの価値はひとえにバッテリーの将来的な処遇にかかっている。今後はメーカーもその辺りの対策を練ってくるに違いない。今後登場する電動スーパーカーでは、その辺りの戦略を詳しく説明していく必要があるだろう。

「現在は需要の伸びが生産を上回っている状況です。数年分の受注がすでに入っています。全ての需要に応えきれていない状況です。幸か不幸か、我々はそれほど多くの台数を作れません。ボリュームは増えていくでしょうが、爆発的には伸びないんです。

そんな中でカスタマー重視の戦略が、アドペルソナムを含め、台当たりの利益を上げていくことになります。だからこそ、サービスの延長やイベントといった販売以外の分野での顧客満足度も上げていかなければなりません」

今年、ランボルギーニはWEC(世界耐久レース選手権)に参戦する。ファン作りを徹底することが夢の土台を作る。ランボルギーニは挑戦者であり続けるのだと思う。

記事に関わった人々

  • 執筆

    西川淳

    Jun Nishikawa

    1965年生まれ。京都府在住の自動車ライター。スーパーカーなどの高額車、スポーツカー、クラシックカーといった“趣味のクルマ”が得意。精密機械工学部出身で、産業から経済、歴史、文化、工学まで俯瞰して自動車を眺めることを理想としており、中古車事情にも通じる。「永遠のスーパーカー少年」として知られている。
  • 撮影

    小川和美

    Kazuyoshi Ogawa

    1986年生まれ。クルマ好きの父親のDNAをしっかり受け継ぎ、トミカ/ミニ四駆/プラモデルと男の子の好きなモノにどっぷり浸かった幼少期を過ごす。成人後、往年の自動車写真家の作品に感銘を受け、フォトグラファーのキャリアをスタート。個人のSNSで発信していたアートワークがAUTOCAR編集部との出会いとなり、その2日後には自動車メディア初仕事となった。
  • 編集

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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