速さとコスパに度肝! スバル・インプレッサ(初代) 特別仕様も多数 UK中古車ガイド

公開 : 2024.03.06 19:05

英国では多数の特別仕様が登場 人気は堅調

1997年には、同じくプロドライブ社が改良を加えた、インプレッサ・カタルーニャが発売される。翌1998年にフェイスリフトを受け、標準のインプレッサでも最高出力は10ps上昇し、ターボラグが短くなった。

その年の後半には、ゴールドのホイールと強化ボディで武装したテルッツォ仕様がリリース。さらに、ワイドな2ドアボディへ280psエンジンを積んだ限定仕様、22B STiが英国にも上陸した。これは、現在では驚くほどの高額で取り引きされている。

スバル・インプレッサ P1(2000〜2001年/英国仕様)
スバル・インプレッサ P1(2000〜2001年/英国仕様)

1999年には、ラリードライバーのリチャード・バーンズ氏へちなんだ、240psのRB5が登場。最終年式の2000年には、280psの2ドアモデル、P1をプロドライブ社が提供している。今振り返ってみても、初代インプレッサのモデルライフはなんとも華々しい。

英国でも高い人気を築いた初代インプレッサだが、旧車になった現在もそれは変わらない。加えて、当時のライバルよりお手頃でもある。必要な予算は、修理が必要な例で8000ポンド(約151万円)、状態の良い例では1万8500ポンド(約350万円)程度だ。

新車時代のAUTOCARの評価は

ライバルのフォード・エスコート・コスワースや、ランチア・デルタ・インテグラーレほどの訴求力はないかもしれない。それでも、小さなスバルのロケット級な走りには驚かずにいられない。

これまで、1万8000ポンド以下の予算で、エスコート・コスワース水準の動力性能と、洗練された四輪駆動システムのシャシーを手にすることは叶わなかった。インプレッサ 2000ターボが登場する以前は。 (1994年4月6日)

スバル・インプレッサ(初代/1992〜2000年/英国仕様)
スバル・インプレッサ(初代/1992〜2000年/英国仕様)

オーナーの意見を聞いてみる

ロン・エブス氏

「5年前に、走行距離5万9500kmの1997年式インプレッサを買いました。これまで殆どガレージで保管されていた車両で、わたしも同様に大切にしています」

スバル・インプレッサ(初代/1992〜2000年/英国仕様)
スバル・インプレッサ(初代/1992〜2000年/英国仕様)

「錆びてしまったエグゾースト系は新調し、リアストラット・ブレースバーを追加しましたが、それ以外はオリジナル状態です。ボディにサビはなく、シャシーは引き締まった感じが残っていますよ」

「数年前にタイミングベルトを交換。下回りのコーティングも施しました。ガレージ保管ということもありますが、しっかり手入れすれば、耐久性も高いことを証明していると思います」

購入時に気をつけたいポイント

ボディ

既に30年前のクルマだから、ガレージで風雨を避けてきた例を除いて、ホイールアーチやサイドシルなどにサビが出ていて不思議ではない。日本から輸入された中古車は、比較的サビが少ない例が多い。

深刻になりがちなのが、リア・ストラットタワー部分のサビ。1度完全に切り取って、全体を置換しない限り、本質的な修理にはならない。費用は安くない。

エンジン

スバル・インプレッサ(初代/1992〜2000年/英国仕様)
スバル・インプレッサ(初代/1992〜2000年/英国仕様)

定評のあるチューニングガレージ以外で手を加えられたエンジンには、過度のストレスがかかっている可能性がある。酷い場合には、ピストンへ損傷が出ていることも。

ビッグエンド・ベアリングやピストンからの異音がないか、しっかり調べたい。可能なら、圧縮比のチェックもしたいところ。ヘッドカバーやカムカバー・ガスケットからのオイル漏れば、珍しくない症状だ。

トランスミッション

新車の時から、急ぐと変速しにくくなることがあった。特にフェイスリフト前では、シフトレバーの動きに引っかかるような感触を伴う。走行時に5速から抜けてしまう場合は、トランスミッション後端のナットを増し締めすると治る場合がある。

サスペンションとブレーキ、ステアリング

ブレーキキャリパーの固着は珍しくない。サスペンションは、ローダウンされているのが通例。傷んだブッシュ類は、ポリウレタン製への交換で、印象を引き締められる。

大きめのステアリングホイールと相まって、操舵は不自然に軽い。少なくとも、反応は正確で緻密だから、許容の範囲内だろう。

インテリア

プラスティック製の内装は、経年劣化に強い様子。標準仕様の内装部品は、比較的簡単に見つかる。限定モデルの部品は、入手困難と考えたい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョン・エバンス

    John Evans

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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