速さとコスパに度肝! スバル・インプレッサ(初代) 特別仕様も多数 UK中古車ガイド

公開 : 2024.03.06 19:05

鮮烈な印象を残した初代インプレッサ 度肝を抜いた走行性能と価格価値 人気を獲得した英国では多数の特別仕様が登場 英国編集部が中古車で魅力を振り返る

度肝を抜いた走行性能と価格価値

最新の6代目が登場したスバルインプレッサだが、初代から30年余り、少々ややこしいバリエーション展開が繰り広げられてきた。しかし1992年に登場した初代は、まだシンプル。1994年に発売された英国仕様も、単にインプレッサ 2000ターボだった。

その頃既に、日本仕様にはWRXとSTiというスポーティな特別仕様が存在していた。ここを掘り下げ始めると、スバル・マニアの領域へ踏み込んでしまう。今回は、そこまでシリアスではない、ベーシックなインプレッサを中心に振り返ってみたい。

スバル・インプレッサ(初代/1992〜2000年/英国仕様)
スバル・インプレッサ(初代/1992〜2000年/英国仕様)

その頃AUTOCARに在籍していた筆者は、インプレッサ 2000ターボが長期テスト車へ加わった時の事をはっきり覚えている。以前から関心を抱いていたが、走行性能と価格価値の高さに、度肝を抜いたからだ。

英国仕様のインプレッサ 2000ターボが積んだエンジンは、210psを発揮する2.0L水平対向4気筒。驚くような馬力ではないかもしれないが、車重は1213kgと軽く、四輪駆動システムを装備し、0-100km/h加速を5.8秒でこなした。

当時の価格は、1万8000ポンド以下。それでいて、圧巻の動力性能を秘めていた。ちなみに、当時の欧州でのライバル、ランチア・デルタ・インテグラーレは2万5000ポンド、フォード・エスコート・コスワースでも2万2500ポンドした。

耐久性の高いプラスティック製内装

最近の高性能モデルは、人工的に威勢のいい排気音へチューニングされているが、初代インプレッサは低回転域からドロドロと個性的。3500rpmを超えた辺りから、刺激的なサウンドが放たれる。

多くのアマチュア・ドライバーを受け入れるように、旋回時のライン取りは確実。ただしステアリングは軽く、サスペンションは硬め。連続するタイトコーナーでは、僅かな不安定さも垣間見せた。

スバル・インプレッサ(初代/1992〜2000年/英国仕様)
スバル・インプレッサ(初代/1992〜2000年/英国仕様)

プラスティックそのままの内装は、新車当時の評価を下げた部分の1つ。しかし20年以上が経過した今では、耐久性の高さで喜ばせてくれる。リアシートは分割して倒せ、車内空間は見た目以上に広く、実用性も悪くない。

装備は充実し、運転席側のエアバッグとパワーウインドウ、集中ドアロックなどが標準。アルミホイールと大きなフォグライトが、見た目を引き締めた。

インプレッサ 2000ターボは、英国では捌ききれない注文を集め、スバルUKは派生モデルの展開をスタート。手始めに、241psエンジンと16インチのスピードライン・ホイール、レカロ・シートで強化した、シリーズ・マクレーが1995年に登場している。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョン・エバンス

    John Evans

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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