ボナムス・アストン マーティン・ワークス・セール

●2015.05.08　ニューポート・パグネル／イギリス 4月はなぜかメジャー・コレクターズ・オークションが全く行われなかった。イベントシーズン開幕となる5月に入ると、アストン マーティンだけのオークションが開催された。  
メジャー・オークショナーは4月が休養月だったようで、1件のオークションも開催されなかった。しかし5月に入ると各社は精力的に動き始めた。 ボナムスは昨年に続き、アストン マーティンだけのオークションを5月8日にアストン マーティン社のファクトリーで開催した。かつての主力工場で、現在はサービス・ファクトリーとして使用されているニューポート・パグネルの施設内で、同社の全面的な協力のもと行われた。 オークションはすべてアストン マーティンに関連したもので、カタログやパーツ、グッズ類、ポスター、アート、モデルカーなどに加え、55台の新旧様々な車両が用意された。 アストン マーティン社の全面的な協力のもとで開催されているだけに、通常出てこない貴重な車両が用意された。今回はDB7 V12 ヴァンテージ・クーペ・プロトタイプと、2004年に製作したDB7 V12 GT コンペティションと、そのスペアのボディやエンジンが放出された。 出品された車両は1952年型のDB2 ドロップヘッド・クーペから2010年型V8 ヴァンテージGT2 コンペティションまでと幅広いが、’50〜60年代のモデルが約半分を占めた。変わったところではデビッド・ブラウン 780 セレクトマティック・トラクターが用意されていた。 ここで最高落札額を記録したのは1966年型DB5 コンバーチブル・ヴァンテージ・スペックの2億8207万円で、これに9台のみが作られた1962年型 DB4 シリーズ IV ヴァンテージ・コンバーチブルが2億8000万円で続いた。 近年の流れとしてはDB5が人気の中心になっており、DB5コンバーチブルは盤石の極め付けといえる存在で、これにDB6が続くという流れだった。ここにきて、より滋味深いDB4が注目されるようになり、今回は最も安いものでも7487万円で終了している。 クルマ趣味の歴史が深いイギリスらしく、ここでも4台のプロジェクト（レストア・ベース）が用意された。どれもそれなりのコンディションだが、そこはアストン。DB2/4は1686万円、DB Mk-IIが1934万円、DB Mk-IIIでは2142万円、人気のDB4 シリーズIIIに至っては5623万円という日本では理解できない高額で引き取られた。 英ポンドが185円と強くなってしまったので少々割高に思えるが、DBS以降のモダン・モデルは順当な額で終了している。このほかリザルトを見て行くとV8の後期モデルが注目され始めたようだ。 2台出品されたラゴンダの落札額が937万円と1831万円と大きな差があるが、高い方は実走1632マイル(2611km)であることが評価されたもの。 エンスージァストの間で注目を集めたDB7 V12 ヴァンテージ・クーペ・プロトタイプだが、意外にも426万円と極めて安いお買い得な額で終わってしまった。

1£(ポンド)=135円で計算　NS=落札不成立。日本円価格の括弧内の金額は、主催者が発表した予想落札価格。