ボルボS60 D4 R-デザイン ポールスター・パフォーマンス・パッケージ

公開 : 2015.09.17 23:50  更新 : 2017.05.29 19:08

で、実際の“D4バイ・ポールスター”は、2ヵ月ほど前に標準D4を体験しただけの身にも、即座に「ちがう」と気づくくらいにはちがっていた。当日の天候はあいにくドシャ降りで、しかもクローズド・コースで両車のタイムを比較できたわけでもないので、具体的な速さにどのくらい効いているのかは分からない。正直にいえば、この程度の数値差なら、筆者程度のウデでは厳密なスピードはほとんど変わらないだろう(すみません)。

ただ、体感上の“速い感”は確実にちがう。とくに印象的なのは、追い越しやコーナー出口などで「さらにひと踏み」したときのレスポンスとトルク感だ。最新の高出力ディーゼルだからもともとレスポンシブなのだが、右足に食いつくような反応と押し出しは、なるほど“スポーティ”と評していい。ディーゼルは高めのギアに固定してあまり変速せず、トルクまかせに走るのが気持ちよく走る基本だが、今回にかぎっては、パドルを積極的に操作してのコーナリングが心地よい。

D4用のポールスター・パッケージでは想像どおり、ピーク性能だけでなく、スロットル制御や8ATの変速スピードにも手が入っているそうで、ここでいう“速い感”にはエンジン本体より、こうした周辺要素のチューンが果たしている役割が大だと思われる。また、エンジンそのものも2000〜4500rpmの“通常使用範囲”の味つけをもっとも重視した……と聞けば、なるほどである。

■「買い」か?

新ポールスター・パフォーマンス・パッケージは(ガソリンT5用ともども)18.8万円。注文はすべてポールスター本社に登録されて、個体ごとに管理される。そのうえで“認定証”と英語版ハンドブック、リアに貼られる専用バッジがついてくる。こうした、ある意味もったいぶった公式感や特別感の演出は、逆に嬉しく思う向きが多いだろう。

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