ベントレー・ベンテイガ 詳細データテスト 上質で広い 動力性能も操縦性もハイレベル 文句なく快適

公開 : 2024.05.04 20:25

ベントレーの新たな旗艦モデルとなる使命を課されたベンテイガEWBは、その期待に添う快適性を、標準ボディが見せる上質で活気ある走りに上乗せしたクルマです。ただし、W12のミュルザンヌのようなオーラは足りませんが。

はじめに

ベントレーベンテイガEWBは全長5.3m、重量2.6tで、テストするトップグレードのミュリナーは25万8630ポンド(約5043万円)という値付けだ。これは単にベントレーのベストセラーをロングホイールベース化しただけのクルマではない。

後席ドアは、標準ボディより18cm長い。さらに、快適性を高めるポスチュラル・アジャストメント・テクノロジーや、ロールス・ロイスのようなボタン式ドアクロージャーを採用した。それ以外にも、10年近く前に登場した高級SUVにはいくつかの有意義な変化があったものの、大きく変わったと思えるようなものはない。

テスト車:ベントレー・ベンテイガEWBミュリナー・ブラックライン
テスト車:ベントレー・ベンテイガEWBミュリナー・ブラックライン    JACK HARRISON

とはいえ、キャビン後部の贅沢さや広さを高めたことで、このEWBはかつて6.75Lユニットを積む最上級サルーンとして君臨したミュルザンヌの精神的後継車にもなった。牛16頭分ものレザーを内装に用いたサルーンの退役は2020年だが、間違いなく現代のベントレーにおけるフラッグシップだったモデルだ。

その不在がほかのモデルに悪影響を与えることはなかったが、ラインナップ全体にオーラのようなものが欠けていたのも事実だろう。このEWBはその抜けた穴を埋め、ドライバーだけでなく後席に座るVIPの要求を満たそうとするものだ。その課された役割と価格に見合うクルマであるのか、吟味してみよう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    英国編集部ライター
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Koichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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