この世代からは、ケイマンGT4のストラテジーを流用することから、エンジンはカレラSの3.8ℓを使用している。

最高出力はGT4が385psであるのに対し、ボクスター・スパイダーは375ps。GT4よりもスパイダーの方が25kg軽いため、決定的な差にはなり得ない。

サスペンションはGT4というよりもGTSにちかい。GTSとの違いは、重くなったエンジンのために新調したリアのアンチ・ロールバーとわずかに軽いボディ、265セクションのタイヤくらいのものである。

■どんな感じ?

パワー増強のおかげで、ギアリングを共有するGTSよりも簡単にパワーを引きだせる。

42.9kg-mと375psに到達するまでに、それぞれ4570rpmと6700rpmまで待たねばならないが、1315kgの車体を引っぱるには低回転でも十分に力づよい。

エンジンのもっとも美味しい部分を味わうには、いつもよりも1、2段低いギアで高回転まで引っぱってやる必要があるが、ショート・スローかつスパスパと切れよくゲートに吸いこまれるギアレバーのおかげで変速は苦痛に感じない。純粋な喜びを感じるほどだ。