986型のスイートスポットは2.7 お値打ちオープンカー12選(6) ポルシェ・ボクスター 「プアマンズ」と揶揄も、現在の好機に
公開 : 2026.08.23 17:55
外界に響く排気音と心地良い風に包まれながらのオープンドライブは、比類ない喜びがあります。6000ポンド(約129万円)で常用に耐える、お手頃&魅力的なオープンカー12台をUK編集部が選出しました。
もくじ
ー「986型ポルシェ・ボクスター」の理想は2.7L
ー刺激的な咆哮へ転調していくサウンド
ー早朝の郊外でのドライブは至福の時間
ーポルシェ・ボクスター(986型/1996~2004年/英国仕様)の主なスペック
「986型ポルシェ・ボクスター」の理想は2.7L
ボディは空力が磨かれ、底面もフラットに仕上げられ、水平対向6気筒エンジンをミドシップし、サスペンション・アームはアルミ製。ポルシェ・ボクスターは、この中では群を抜いて本格的なオープン・スポーツカーだといえる。本物のポルシェでもあった。
経営改善を目指し、合理化を進める中で生み出された当時の究極的な量産車が、初代ボクスター。完全な新設計となる996型911を、お膳立てする重要な役割も担っていた。

エンジンは当初2.5Lだったが、1999年に2.7Lへ拡大。3.2Lで249psと強力なボクスター Sも魅力的だが、一般的には986型のスイートスポットは2.7Lエンジン版だといわれている。硬いM030サスペンションを組んだ仕様を、挙げるマニアもいるが。
現在の英国市場には、走行距離が伸び、状態が優れないボクスターも多く流通している。しかし6000ポンド(約129万円)用意できれば、まずまずの2.7L版を探せる。エクステンデッド・レザーやスポーツシートなどの、オプションを備えた例も。
刺激的な咆哮へ転調していくサウンド
「とあるイベントで、紫のボクスターに惹かれてしまったんです。その直後に、このクルマと出会いました」と振り返るのは、1年前に2.7Lの986型を購入した、アニカ・クマール氏。オプションの18インチ・ホイールを履き、スポーツシートが備わる。
「クラッチ交換が必要だったので、ついでにIMSベアリングやブレーキも交換しました。ドアシールなど、細かい部品も新しくしています。運転していて、本当に楽しいクルマ。近々、ドイツへドライブしようと計画中です」

実際に発進させると、印象は明らかにタイト。身体はシートへフィットし、重めのステアリングホイールへ伝わる情報を逃さず感じ取れる。
アクセルペダルはロングストローク。7200rpmめがけて引っ張れば、吸気音の共鳴とともにトルクが湧き出る。ざらついたサウンドは、刺激的な咆哮へ転調していく。
早朝の郊外でのドライブは至福の時間
ブレーキは強力で頼もしく、ABSが介入するほど蹴飛ばしても、安定性は揺るがない。ステアリングは精緻で、方向転換は意のまま。トラクションも驚くほどで、僅かにテールをスライドさせながらの、力強いコーナリングを叶えている。
生粋のポルシェでありつつ、徹底した設計のロードスター。ドライブトレインやシャシーは、明らかに品質に優れる。公道の速度域でも、洗練されたフィーリングとレスポンスが、ドライバーを満たす。早朝の郊外でのドライブは、至福の時間に違いない。

インテリアは、プラスティックが目立つかもしれない。プアマンズ・ポルシェと揶揄する声もあったが、それがむしろ、現在の好機へ繋がっている。安易な陰口を気にせず、素晴らしい走りを称えたい。
完成度の高いエンジンに、同時期の911を凌駕したともいえる操縦性。確かに、今回の12台では高価な側にあるが、別格の水準にあるオープンカーなことは明らかだ。


























































































