指に吸い付くフリック操作 彩速ナビのフラッグシップ・モデルに触れる

2016.12.30


世の中に存在するあまたのカーナビの中で、“指に吸い付く操作感” という独自性がケンウッドのお家芸と言える。ひと言で画面のフリック操作と言っても、「指のフリックで操作できる」と「指に吸い付いてくるフリック操作」は別の話なのだ。

そこで、JVCケンウッドが彩速ナビのニューモデル「MDV-Z904W」のデモカーを新調したと聞き、さっそく触れてきた。

彩速ナビのプレミアムモデル「タイプZ」のトップグレード「MDV-Z904W」は、200mmコンソール対応のワイドモデルだ。完全フルフラットなタッチパネル画面は、ご覧のようにコンソールがシンプルで美しい。


視力が2.0に戻った感覚


色彩豊かでメリハリのある画面描画というのは、技術的な説明をしても伝えづらいので例えて言うと、視力が2.0級に戻った感覚だ。われわれ日本人というのは、漢字の文化圏の人間だから、視線の先の情報を “読もう” としてしまう。しかし運転中のドライバーに必要なのは、ひと目見て状況を把握できる瞬発力だ。

地図が伝えるべき情報の配色、ボタン名の文字数や大きさには並々ならぬノウハウを感じ、視力が上がったとさえ思えた。様々なボタンや付加情報を額縁状に配置することで、視線をあくまでマップに誘導するのも理にかなっている。マップ内のレイアウトや操作画面の遷移ロジックは、ビクター側が培った極意が活かされていると聞く。

信号待ちがカーナビの評価を左右する


個人的には「信号待ちの間にやりたい事を完結できる」というのが、カーナビ評価のひとつの基準になっている。マップをピンチイン/アウト操作したはいいが、ルートを外れた位置から戻せぬまま青信号を迎える機種は意外に多い。

デュアルコアCPUを搭載する彩速ナビは、言ってみれば脳みそが2つあるようなもので、ナビゲーションしながら動画再生といった高負荷の処理もストレスがない。一般的なカーナビでは、マップ操作で指の動きに遅れを取ったり、引っ掛かりを感じるものだが、ケンウッドはたしかに描画処理が速い。上の動画でそれを感じて頂けるだろうか。


オーディオのケンウッド、映像のビクター


少々ではない額を投資し、せっかく取り付けた高性能カーナビに、手を伸ばすのがおっくうになっていませんか? それは、スマホでさっさと出来ることが愛車のナビでは時間が掛かっている証しなのだ。

「色彩感が高い画面表示」と「スピーディな操作感」がどれほどドライブに有用であるかは、量販店の店頭で触れても半分しか実感できない。

しかし、パンフレットをめくればイメージできるケンウッドならではの機能もある。案内ポイントまでの距離をカウントダウンする「新・ここです案内」、道幅の好みをルートの条件に設定できる「マイルートアジャスター」、よく使う機能を集約した「マイメニュー」画面などはその好例で、こうした機能もスムーズな操作性があってこそ実用に結びつくのだ。

今回はナビ機能を紹介したが、彩速ナビにはハイレゾ音源再生という強みもある(FLAC、WAV、DSDファイルなどに対応)。機会を見つけてそちらの方もレポートしたい。


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