新旧バトル:後編 ―― アウディRS2アバント vs VWゴルフRヴァリアント

公開 : 2017.05.07 18:00  更新 : 2017.05.29 18:56

RS2とわたしの濃密な対話

コーナリングのキレがよく、バランスに優れ、ロールやアンダーステアに食われるエネルギーやレスポンスが少ない。

気持ちよくターンし、すぐに安定し、前後の荷重移動もスマート。直進に戻る前にスロットルを開きたくなる。ゴルフらしいハンドリングは、このハイパワーなワゴン版にも生きている。

RS2は、ペースを上げるほどに違いが見えてくる。ボディ・コントロール、横グリップのレベル、ステアリングの重さ、そしてパワー・デリバリーの全てが、4速3500rpmで100km/h前後に達したときに最高の調和を果たし、チューニングの意図に正確な働きをみせる。

しかし、飛ばしすぎると、大きなバンプではフィードバックの域を超えたキックバックに見舞われ、ハンドリングのバランスは損なわれる。低速コーナーを思い切り攻めたときも同様だ。

ただし、活発でもその道路に適した速度であれば、RS2は多くの見返りを与えてくれる。乗り心地は水中翼船を思わせる、ゆったりしたものになり始める。減衰はプログレッシブだが効果的。

クルマとの対話を楽しみながらコーナリングすれば、クルマは正確に応えてくれる。外輪が負荷から解放されるまでしばし待たねばならないが、その間も20年ものクルマのタイヤがどれだけグリップしているかはしっかり感じられる。

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