お金をかけないリッチライフ(3) BMW 850CSi 試乗記

公開 : 2017.10.01 10:10

第3話は、BMW 850CSi。4話中、もっとも乗り味を想像しづらいものかもしれません。実のところ、どんなクルマなのか。探ってみます。

もくじ

「テクノ」満載 当時の未来
パワーにまかせてリアを流す
BMW 850CSiのスペック

「テクノ」満載 当時の未来

1989年フランクフルト国際モーターショーで発表された8シリーズは、フェラーリとM635CSiをミックスしたかのようにフレッシュでシャープに見えた。それでも、かつて流行ったグローバルテクナカラーのTシャツよりも早く時代遅れになってしまった。

自分も1台欲しくて堪らないのだが、テクニカル面のトラブルがどうも気になる。CSi用にM70ユニットが5576ccまでボアを拡大し、さらに徹底的に手を加えてS70というエンジンコードを与えられた。

ゲトラグ製の6速マニュアルギアボックスを装備するCSiは、フロントハブが強化され、ダンパーは硬くなり、スプリングが短くカットされている。

しかし、最大の特徴は、リアを操舵してステアリングアングルを同じ方向に向ける、新設計の車速感応式油圧4輪操舵システムだ。

ピラーレスのプロフィールを自信満々に発表したBMWだったが、フロントエアダム、ディフューザー付きリアスカート、そしてエンジンの「Powered by M」のバッチを除けば、CSiをほかのモデルと区別する目印はほとんどない。

インテリアに関しても、違いは同じように控え目で、シフトレバーとステアリングホイールのエンブレム、計器の赤い指針を除けば、ほかは全て標準装備と同じなのだ。

ただし「標準装備」と言ってもこれには特別な意味がある。

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