トヨタ、世界初「省ネオジム耐熱磁石」開発 自動車などに利用 レアア-ス資源の需給バランス保つ

2018.02.20

「省ネオジム耐熱磁石」の開発ポイント

今回開発した「省ネオジム耐熱磁石」は、以下の3つの新技術を組み合わせることで保磁力を高温でも維持できる性能を実現している。

1 磁石を構成する粒の微細化
2 粒の表面を高特性にした二層構造化
3 ランタンとセリウムの特定の配合比

開発ポイント1 磁石を構成する粒の微細化

磁石を構成する粒を、従来のネオジム磁石の1/10以下にまで微細にし、粒と粒の間の仕切りの面積を大きくすることで保磁力を高温でも高く保つことができるようになった。

開発ポイント2 粒の表面を高特性にした二層構造化

従来のネオジム磁石は、ネオジムが磁石の粒の中にほぼ均等に存在しており、多くの場合、磁力維持に必要な量以上のネオジムが使用されている。

そこで、保磁力を高めるために必要な部分である磁石の粒の表面のネオジム濃度を高くするとともに内部を薄くした二層構造化により、効率良くネオジムを活用することができ、使用量の削減が可能となった。

開発ポイント3 ランタンとセリウムの特定の配合比

ネオジムにランタン/セリウムなどの軽希土類を単純に混ぜると、磁石の特性(耐熱性・磁力)が大きく低下するため、軽希土類の活用は難しいとされていた。

これを解決するためにトヨタは、産出量が豊富で安価なランタンとセリウムを様々な配合比で評価した結果、特定の比率で混ぜると特性悪化を抑制できることを見出した。

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