アストンの栄光 DBSスーパーレッジェーラで行く追憶の旅 舞台はグッドウッド

公開 : 2019.06.22 11:50

60年の隔たり 実力は互角

60年もの時代を隔てたアストン マーティン製ロードゴーイングモデルと、レースカーを比較するなど、まったく意味のないことだと思うかも知れない。

かたや3.0ℓ自然吸気ストレート6エンジンを積み、操作の難しい5速マニュアルギアボックスを組み合わせたモデルであり、もう一方は、5.2ℓV12ツインターボエンジンに、素晴らしい洗練を見せるZF製8速オートマティックギアボックスを備えている。

幸運にも、ル・マンとグッドウッドを制したDBR1のステアリングを握ったことがあるが、まさに本物のレーシングマシンであり、ダイレクトなフィールと、その迫力はシルバーストンを数ラップするだけで、十分な恐怖を感じさせた。

こんなクルマに乗って、50台ものマシンと競い合いながら、ル・マン24時間を戦うなどまったく想像すらできないが、対照的に、DBSは洗練された速さを見せ、安心してそのステアリングを握ることができる。


だが、それぞれからアストンのエンブレムを外し、初めてこのクルマを見るエンスージァストに質問をしたとしても、全員がこの2台をアストンのモデルだと思うだろう。この2台に共通するのは、基本的な美しさと、速く走るという明確な意思であり、さらに、そのパフォーマンスにも想像するほどの違いはない。

DBR1のパワーは274psに過ぎないが、その車重は860kgを下回っており、スーパーレッジェーラは725psのパワーを誇るものの、車重もほぼ2倍に達している。2005年のグッドウッドで、DBR1は1分27秒7というラップを記録しており、DBSであればさらなる好タイムが期待出来るが、そのためには、全力を振り絞る必要があるだろう。

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