【「ながら運転」規制】海外はどうなっている? 日本は12月1日〜強化 内容/理由

公開 : 2019.11.27 21:02  更新 : 2020.01.31 12:08

運転中の携帯電話規制 比較的厳しい国

アメリカ

州によって規則の厳しさは異なるが、原則として運転中の携帯電話使用は禁止。

音声通話やテキストメッセージなどを「周波数」によって区別できる電波センサーを組み込んだ装置の開発も進んでいる。

規制がゆるい国と、厳しい国がある。
規制がゆるい国と、厳しい国がある。

携帯電話使用による事故が激増している10代の若者に対する規制も厳しくなっている。

10代の衝突リスクは、一般的なリスクの6倍。さらにテキストメッセージの送信で23倍になる。よって、州ごとの規制に加えて国全体で10代ドライバーに対する規制を厳しくしている。

イギリス

2003年に運転中の携帯電話使用が禁止され、近い将来ハンズフリーも禁止対象となりそう。

違反者には減点6点+罰金200ポンド(約2万9千円)が科せられる他、交通事故を起こすと、携帯電話の使用有無について携帯電話を没収して非常に厳しくチェックされる。

近い将来、運転中のモバイル機器の電波をブロックし、回線自体を遮断する技術の導入も検討されている。

フランス

クルマに限らず乗り物のドライバーが走行中に携帯電話を手に持って使用することを禁止。

「走行中」の定義が厳しく、路上駐車中はエンジンを切っていても通行中とみなされる。

罰金は135ユーロ+3年間の運転免許の点数がマイナス3点。

オーストラリア

厳しく規制されている国の1つで、使用の検知も最新鋭の装置が導入されている。

その1つが、700m離れた場所からでも、また時速300km/hで走行中や雨天、夜間であっても鮮明な画像で確認できる高性能カメラだ。

州によって異なるがニューサウスウェールズ州(NSW)ではドライバーが携帯電話に触ることからしてNGで337オーストラリアドルの罰金が科せられる。

令和元年12月から厳罰化の内容/理由

こうして海外の罰則状況を見ていると、特にその取り締まりの状況や検知方法に関して、日本はまだ生ぬるい印象がある。改めて12月1日からの罰則強化の内容をチェックしてみよう。

警察庁が行う取り締まりは全国で年間約600万件。そのうち携帯電話に関する取り締まりは80万件以上となる。

ほう助容疑で摘発されることもある。
ほう助容疑で摘発されることもある。

しかし、2018年中に運転中のモバイル機器操作が原因の人身事故は約3000件もありうち45件が死亡事故となっている。携帯電話不使用の約2倍の数字だ。

今年12月1日から「厳罰化」となる理由もここにある。

今年12月1日より、「ながらスマホ」事故(交通の危険)は違反点数6点+即免停+最大1年の懲役+30万円以下の罰金となる。

さらに、保持しているだけでも改正前は「5万円以下の罰金」から「6か月以下の懲役、または10万円以下の罰金」と懲役刑が新設される。

反則金などの支払いを拒む運転者には実刑適用もあり得る。

酒気帯びの場合は携帯電話使用等(交通の危険)が16点、(保持)が15点科せられるため、酒気帯び+スマホ使用では即免許取消処分となる。

また、これは実際に発生した事故の例だが、注意喚起のために紹介しておこう。

ほう助容疑で摘発されることも

2018年3月に名神高速道路で発生した追突事故では観光バスに追突した大型トラックのドライバー(死亡)が、スマホの画像を見ながら運転していたことが判明。

岐阜県警は過失運転致死傷罪で運転手を書類送検したのだが、同時に、その画像を見るよう電話で促した同僚に対しても同罪ほう助容疑で書類送検したのである。

同僚はトラックドライバーが運転中であることを知りながら、わき見運転を助長するような行為を行ったためだ。

このようなほう助容疑で摘発されることは珍しいが今後はこのような行為の摘発も増えていくかもしれない。

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