【本命!? 1億5000万円で落札】1977 ポルシェ935 K3 /80 by クレマー BHオークション

公開 : 2020.01.10 16:51  更新 : 2020.12.08 18:54

1977 ポルシェ935 K3 /80 by クレマーが東京オートサロン内のBHオークション2020に出品されました。

1977 ポルシェ935 K3 /80 by クレマーの特徴

・1億円からスタート
・1億5000万円で落札
・予想落札額は1億4000〜1億8000万円だった
・グループ5規定に則り最強プライベーター“クレマー・レーシング”が製作
・930ターボをベースに1977年に製作、後にK3の最終進化形となる1980年仕様の“935 K3/80”にアップデート
・“935 K3/80”としてFIA承認ペーパーを取得済み
・ルマン・クラシック他、世界的なヒストリックレースに出走可能
・非常に良好なコンディションを保った個体
・カラーリングは人気の高いイエガーマイスター仕様
・Ready to Raceコンディション

1977年にデリバリーされた930ターボに、クレマーの手による改良がなされ、935 K3/80として製作された。
1977年にデリバリーされた930ターボに、クレマーの手による改良がなされ、935 K3/80として製作された。

1977 ポルシェ935 K3 /80 by クレマーの詳細

ポルシェ935 K3は、ドイツのポルシェ・チューナーであるクレマーが製作したグループ5カーである。その中身はワークスマシン935/77の進化型というべきもので、1979年のル・マン24時間レースでは、クレマー・レーシングから出場した935 K3が並み居るプロトタイプ・レーシングカーを破り総合優勝するなど、様々なレースで高いポテンシャルを誇ったことでも知られている。

そもそもポルシェ935は、人気に陰りの出てきたスポーツカー・レースのカンフル剤として、より市販車に近いグループ5カーを対象に争われることとなった世界メイクス選手権のためにポルシェが開発したレーシング・マシンだ。

最近まで国際格式のレースに参加していたため、FIA HTPペーパーを取得している。
最近まで国際格式のレースに参加していたため、FIA HTPペーパーを取得している。

最小生産台数400台をクリアした公認車両のイメージ(エンジン搭載位置、駆動方式を含む)を残していれば、基本的に改造自由というレギュレーションから“シルエット・フォーミュラ”と呼ばれたグループ5にポルシェは、930ターボ・ベースの専用モデル935を開発。

モノコック・シェルこそ市販車と同じものの、フロントを鋼管スペースフレームに変更、チタン製のスプリング、917のベンチレーテッドディスク・ブレーキ、598psを発生する2856ccフラット6シングルターボ、そして空力特性に優れたFRP製のフラットノーズ・ボディの採用など、レギュレーションを知り尽くし、入念な準備の末に開発された935は、デビューからライバルを圧倒する強さを見せた。

また1977年からプライベーターにも販売されたことで、世界メイクス選手権は「935のワンメイク・レース」と揶揄されるほどの状態となったのである。

そんな中でワークスに肉薄する存在として頭角を現したのが、ドイツ・ケルンでポルシェのチューナーを営んでいたクレマー兄弟が率いるクレマー・レーシングだった。

1976年のシリーズ・スタートから911 RSRを改造した935 K1、935 K2といったオリジナルマシンで挑戦していた彼らは、1979年シーズンに向けワークスの935/77を参考とした935 K3を開発。

そのスタイルこそ935/77に似ていたが、アルミ製のロールケージを前後サスペンションのピボットまで延長し剛性を高めたボディ、天地逆に装着することで低重心化に寄与したギヤボックス、811ps以上を発生する空冷式シングル・インタークーラー付き3164ccフラット6ツインターボ(ル・マン仕様は2943cc)を搭載するなど、より進化した内容となっていた。

彼らはこの935 K3を擁して、ル・マン24時間を始め、世界メイクス選手権、ドイツ国内選手権でワークス活動を行なったほか、カスタマーにも販売を開始。さらに既存の935や930ターボを935 K3スペックにアップデートするオーダーにも対応したことで、多くの935 K3が世に送り出されることになった。

今回の出品車である935 K3/80もそのうちの1台で、ベースは1977年に930ターボとしてデリバリーされたシャシーナンバー9307700486(当時のオーナーズマニュアルも残されている)で、1981年頃にクレマーに持ち込まれ、リアの大型フラップなど各部に改良が施された935 K3/80として製作されたものだ。

エンジンは3Lのル・マン仕様を搭載。ビッグレースの参戦歴は確認できないものの、1981年、1982年のADACオートクロスを始め、1984年まで競技に参加していたことを示すログブックが付属している。

また、最近までルマン・クラシックを始めとする国際格式のクラシック・レースに参加していたこともあり、FIA HTPペーパーも取得済み。今もレディ・トゥ・レースの状態ですぐに各種レースへ参戦することが可能となっている。

近年ヨーロッパを中心にグループ5が注目を集め、多くのレースが開催されるようになっていることもあり、これからさらに人気が出そうな1台である。

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