【予想の2倍で落札】キャタピラー搭載モーターサイクル NSU Sd. Kfz. 2型ケッテンクラート 北米オークション

公開 : 2020.03.12 07:50  更新 : 2021.10.11 09:31

まるでバイクと戦車が1台になったような「NSU Sd. Kfz. 2型ケッテンクラート」が、競売に登場。WWIIで独軍が送り出し、ロシア戦線を闘いました。その落札額は?

パッセンジャーは後ろ向き

text&photo:Kazuhide Ueno(上野和秀)
photo:BONHAMS

北米で開催されたボナムス・アメリアアイランド・オークションに、珍しい軍用車が姿を見せた。

第二次世界大戦にドイツ軍は様々な軽軍用車を送り出している。今回出品された「NSU Sd. Kfz. 2型ケッテンクラート」は、不整地でも走り抜ける左右に無限軌道を備えるモーターサイクル。

NSU Sd. Kfz. 2型ケッテンクラート
NSU Sd. Kfz. 2型ケッテンクラート

2輪車と同様に前輪で操舵するもので、乗員は車体中央で操縦し、パッセンジャーは車体後端に後ろ向きに乗るレイアウトだった。泥濘地のほか冬のロシア戦線や砂漠の西部戦線などの厳しい条件下で本領を発揮した。

開発製造を担当したのは当時世界最大のモーターサイクル・メーカーで、戦後いち早くロータリー・エンジンを実用化し1969年にアウディの一員となったドイツの2・4輪メーカーのNSU。

エンジンは当時ドイツでポピュラーな存在だったオペル・オリンピア用の36HPを発揮するOHV水冷直列4気筒1478ccユニットを前席後ろの車体中央に搭載。3速トランスミッション(2段の副変速機付き)を介して駆動力を伝え、最高速度は70km/hをマークした。

1798万円で落札

フロントサスペンションは当時の2輪車でポピュラーだったガーターフォーク式で、転輪はトーションバーを用いるスイングアーム式だった。

アメリアアイランドに出品されたケッテンクラートは、既報のキューベル・ワーゲン、シュビム・ワーゲンと同様にゲルハルト・シュニューラー・コレクションからの放出車である。

NSU Sd. Kfz. 2型ケッテンクラート
NSU Sd. Kfz. 2型ケッテンクラート

当時のボディカラーとマーキングを残しながらメカニカル面のレストレーションが行われ、歴史を後世に伝える仕上がりとされているのが特徴だ。

オークションにはまず出てこないケッテンクラートで熱烈なファンが存在することに加え、当時の姿をそのまま伝える貴重な1台だけに大きな注目を集めた。

オークションは予想落札価格の642〜856万円を大きく超える16万8000ドル(1798万円)で落札され、新たなオーナーの元へ嫁ぐことになった。

この記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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