【3200万円で落札】1987年に1度だけ制作 LM07トヨタ/グループC BHオークション

2020.01.10

サマリー

LM07トヨタ/グループCが東京オートサロン内のBHオークション2020に出品されました。

もくじ

LM07トヨタ/グループCの特徴
LM07トヨタ/グループCの詳細

LM07トヨタ/グループCの特徴

・3200万円で落札
・予想落札額は2800〜3500万円だった
・日本のルマン・ガレージが製作したグループCカー“LM05C”の最終進化形
・エンジンはトヨタ製の3S-G型(2.1L直列4気筒ターボ)を搭載
・1987年の富士1000kmレース、鈴鹿1000kmレースで共に7位完走
・日本のスペシャリストの手で完璧なレストレーションが施されたばかりの1台

1987年に1台のみ製作された車両。ランニングコンディションでレストアされたものだが、シェイクダウンとセットアップが必要となる。
1987年に1台のみ製作された車両。ランニングコンディションでレストアされたものだが、シェイクダウンとセットアップが必要となる。

LM07トヨタ/グループCの詳細

LM07トヨタは、日本のルマン・ガレージが1987年に製作したグループCマシンだ。一般的にはあまり知られていないこのグループCマシンの素性を解き明かすためには、まずその誕生の背景を説明する必要がある。

1982年からグループCが新たに施行され、10月には富士スピードウェイで日本での久々の世界選手権となるWECジャパンが開催されると、日本のコンストラクターの間に国産グループCマシンを製作しようという機運が盛り上がる。その中のひとつが、レーシングカーや部品の輸入、販売などを行っていたルマン商会のコンストラクター部門であるルマン・ガレージだった。

Cカー然としたリアウイングが与えられたリアビュー。搭載されるのはトヨタ製2.1L直4ターボの3S-G型エンジン。
Cカー然としたリアウイングが与えられたリアビュー。搭載されるのはトヨタ製2.1L直4ターボの3S-G型エンジン。

こうして1983年7月の富士1000kmで柳田春人/冨岡弘司のドライブでデビューを果たしたのがLM03Cだ。

GC/F2兼用マシンのサンダーLM-39、1982年のキャラミ9時間耐久用に製作されたスカイライン・ターボCに次ぐ同社の3作目の作品として名付けられたLM-03Cは、ポルシェ956を意識したと思われるサイドラジエター方式のデザインを採用したグループCマシンで、シャシーはシングルスキンのアルミ・ツインチューブ・モノコックとリア鋼管サブフレームの組み合わせ。

エンジンは日産LZ20B型2089cc直4ターボを搭載し、レースでのエントリー車名はフェアレディZ・Cと呼ばれた。しかしながらシャシーの剛性不足やエンジンのパワー不足、熟成不足に悩まされ成績は低迷。

翌84年には改良が施されたLM04Cが3台製作され、柳田率いるセントラル20レーシングと、長谷見昌弘率いるハセミモータースポーツに供給され、長谷見/都平健二組が全日本富士1000kmで4位入賞を果たしている。

1985年、ルマン・ガレージはこの年から施行された新しい安全規定に適合したLM05Cを開発する。

その基本コンセプトこそLM03C、04Cを踏襲していたが、モノコックはフットボックスなどを安全基準に対応させたうえ、一部にアルミハニカムを使用して剛性を強化。ボディデザインが一新されたうえ、ベンチュリー構造のアンダーフロアも、ポルシェハンプと呼ばれる凹みを前方に移動するなど空力面での改良も施された。

一方エンジンは2341ccの日産FJ23直4・4バルブターボを搭載。ボディ右側にラジエターとオイルクーラー、左側にインタークーラーがマウントされていた。

7月の富士500マイルでチームルマンからデビューしたLM05C(当時は日産ターボCと呼ばれた)は、雨に祟られたWECジャパンで23番グリッドからスタートした中子修/森本晃生/エマニュエル・ピロ組が、日本人&日本車WEC初優勝を遂げた星野一義のマーチ85C日産に次ぐ2位入賞という大金星を挙げている。

翌86年に日産から供給されるエンジンがパワフルなVG30型3L V6ターボに移行するのに伴い、チームルマンはシャシーをマーチに変更することに決定するが、小排気量エンジンとのバランスのいいLM05Cを活かすために、2090ccのトヨタ4T-GT改直4ターボを搭載するLM06Cを開発。CARAのスポンサードのもと、森本晃生/フランツ・コンラッドのコンビで全日本耐久選手権、そしてWECイン・ジャパンに出場するも、全日本富士500kmレースの10位が最高位と不本意なシーズンに終わってしまった。

そのLM06Cにトヨタ製2140cc直4・3S-Gターボを搭載したのが、このLM07トヨタである。シャシーやボディは基本的にLM05Cから変わっていないものの、OLIO FIATのスポンサードを受けた中子修/マウリシオ・サンドロ・サーラ組はしばしば好走をみせ、開幕戦の全日本富士1000kmで7位完走。富士500マイル・レースで10位、インターナショナル鈴鹿1000kmでも7位という成績を残している。

現車は1987年に1台だけ制作されたLM07トヨタで、運よく生き延びていたものを日本のスペシャリストがランニングコンディションでレストアしたものだ。

但し仕上がったばかりゆえ、シェイクダウンと各部のセットアップが必要となる。

 

人気記事